日本酒(後編)

 

吟醸酒とは、純米酒や本醸造酒の中で、お米を60%以下に精米して使用し低温でじっくり発酵させるなど、特別に吟味して造ったお酒で、果物を思わせる香り、すっきりした飲み口、のど越しのなめらかさが特徴です。製法により、大吟醸、吟醸、純米大吟醸酒、純米吟醸と呼ばれています。

 

江戸時代には「吟造」「吟製」という言葉があり、酒樽の絵や焼き印のひな型に使われたそうで“謹んで造る”“謹製”という意味で用いられていました。

 

明治時代になると清酒品評会の入賞を目指して、原料米の磨きや吸水具合、仕込み水の性質、低温でのゆっくりとした発酵管理など、酒造りの技術を高め競い合う課程で、吟醸酒は誕生しました。今も続く「全国新酒鑑評会」の一般公開を通じて、消費者に少しずつ存在が知られることになりましたが、当時、飲んでみたくても市場にはなく、商品化される1980年代まで待たなければなりませんでした。

 

温度管理の技術や麹および酵母の選抜育種技術の進歩などにより品質が向上し、やがて一般市場に出回るだけの生産量が確保できるようになりました。2000年代以降では海外でも日本食ブームに伴って吟醸酒の需要が高まっています。

 

大吟醸酒とは、精米歩合50%以下の白米を原料として製造し、固有の香味及び色沢が特に良好なものに用いることができる名称です。吟醸酒よりさらに徹底して低温長期発酵させ、
最後に吟醸香を引き出すために少量の醸造アルコールを添加します。

 

純米大吟醸酒とは、大吟醸酒のうち、醸造アルコールを添加せず、米、米こうじ及び水のみを原料として製造したもの。一般に醸造アルコールを添加した大吟醸酒に比べて穏やかな香りで味わい深いです。フルーティで華やかな香りと、淡くサラリとした味わいの物が多いようです。

 

大吟醸酒は原料である酒米も最高のものを選び、それを極限まで磨き、蔵人の力を結集して醸した日本酒の最高峰といえるでしょう。

 

その他にも、日本酒にはいろいろな種類があります。幾つか紹介してみましょう。

 

<生酒> もろみを搾っただけの、生まれたままの日本酒です。酒蔵でしか味わえなかったフレッシュな美味しさを、詰まっています。純米生、吟醸生などいろいろなタイプの生酒があります。

 

<原酒> 一般の市販酒は搾った日本酒に水を加えてアルコール分を調整してありますが、この酒は水を加えていないのでアルコール分は高く、18

 

<たるざけ> 樽に詰め樽の木の香りを生かした酒。樽の材料としては杉が使われ、なかでも吉野杉が最高とされています。

 

<にごり酒> 醪(もろみ)を目の粗い布でこしただけの白く濁っている白濁酒。

 

<発泡酒> 炭酸ガスを吹き込んだお酒。シャンパンのような口当たりなので、夏向き。アルコール分は低く8 度ぐらいです。

 

日本酒は“燗してよし、冷やしてよし”という世界でも珍しいお酒です。飲用温度も幅があり、5℃〜55℃位までと広範囲にわたっています。日本の四季のうつろいと、日本独特の気候風土から生まれました。豊かな自然の恵みと日本人の知恵の結晶である日本酒を味わいましょう。

 

【参考資料・web】

「食と日本人の知恵(著:小泉武夫)」岩波現代文庫
日本の酒HP(日本酒造組合中央会)