うどん

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うどんの最初は小麦粉を丸めた団子でした。箸でつまもうとすると、つかみどころがなく混沌としていることから「混沌」と呼ばれました。その後、うどんは食品なので食扁に改められ、さらに温めて食するので「饂飩(うどん)」となりました。奈良時代が始まりとされ、中国からきた小麦団子の菓子を源とする見方もあります。

 

関西地方では麺といえば、うどんが主で蕎麦は従です。これに対して関東では逆でうどんより蕎麦が好まれる傾向があります。ただ、その食べ方は同じで、東西とも醤油、味醂、ダシ汁などで調合したつゆをかけたり、つけたりしてすすります。

 

うどんは小麦粉に食塩、水を加えて練りあわせて粘りのあるグルテンを形成させ帯状に切り出したもので、米のような粒食が中心の日本人にあっては、蕎麦と並ぶ代表的な粉食食品です。

 

小麦粉の団子を煮込んだものが原形なので本来は煮込みうどんが古いスタイルの食べ方ですが、今では茹でたうどんに天ぷらや油揚げ、揚げ玉、肉や卵などをのせる「種物」がほとんどになっています。

 

それからの日本人は得意の知恵を発揮し、さまざまなタイプの蕎麦を次々に考えました。つなぎに鶏卵を用いた卵切り、鯛のすり身を使う鯛切り、挽茶を使う茶蕎麦、柚子での柚子切りなど。

 

この種物うどんではいろいろな具をのせて食味に幅を持たせたり、栄養補給や色合いの楽しみを織り込んだりしていて、そこに日本人らしい知恵や感性を垣間見ることができます。

 

その知恵は各地で発展して香川県の讃岐うどん、京都や大阪の関西系うどん、名古屋のきしめん、山梨県のほうとう、群馬県の水沢うどん、秋田県の稲庭うどんなど数々のご当地うどんが生まれました。

 

ちなみに平成22年の総務省家計調査によると、全国の県庁所在地の1世帯当たりの生うどん・そばの年間消費支出額は香川県の高松市がダントツでトップでした。

 

「香川では蛇口をひねるとうどんのだしが出る!」という都市伝説そのままに、高松空港内にある特産品PRコーナーの一角には、本格的なダシが出る蛇口があって試飲できるそうです。うどん県の香川、そこまでやるとは恐るべし!

 

【参考資料・web】

「食と日本人の知恵(著:小泉武夫)」岩波現代文庫
「うどん県旅ネット」香川県公式観光サイト