加茂市民の憩いの場、加茂山公園に鎮座する「青海神社」

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縦に長い新潟県で、ほぼ中央に位置する加茂市。その加茂市の玄関口、JR加茂駅から歩いてすぐのところにある青海(あおみ)神社は、その昔このあたり一帯を開拓した青海首一族が、椎根津彦命(しいねつひこのみこと)と大国魂命(おおくにたまのみこと)をまつり726年に創建した、約1300年の歴史を有する神社です。

 

加茂山公園に鎮座している「青海神社」

 

京都に遷都した794年、京都の賀茂別雷神社(上賀茂神社)と賀茂御祖神社(下鴨神社)の神領となりその分霊を併せまつるようになったので、青海神社は、青海神社・賀茂別雷神社・賀茂御祖神社の3社の本殿を合殿しています。こうした歴史があることから、加茂という市の名前は京都の賀茂神社に由来しています。

 

拝殿

 

賀茂御祖神社の御祭神、玉依媛命(たまよりひめのみこと)は、縁結び・子授け・安産・子育ての神威があると伝えられています。実際に安産の御利益を得たという女性の例も一緒に伝承されています。
1530年、一人の女性が妊娠していることを知ると、青海神社に月参りし、安産を祈願しました。その甲斐あってか、元気な男の子を出産。後に越後の名将となる上杉謙信の誕生エピソードです。

 

加茂市に3軒ある酒蔵のお酒が奉納されている

 

加茂市で行われるお祭りの中でも、もっとも賑わいを見せる青海神社の春季祭礼(加茂まつり)は、別名「乳母まつり」とも言われています。3社のお神輿を担ぐ御神幸行列に、生後1年位までの子どもに華やかな産着を着せて、母親たちが子どもをおぶって参加するからです。玉依媛命にわが子が無事に生まれたことを感謝し、今後の健康と幸福を祈願する行列はにぎやかでほほえましく、沿道で眺めている観光客も思わず笑顔になってしまう光景です。

 

約1300年もの歴史もさることながら、この青海神社の最大の特徴は、駅から近いのに自然豊かな約15ヘクタールもの加茂山公園に鎮座していることです。加茂山公園は、ただ自然に触れられるばかりでなく、子どもから大人までが楽しく過ごせる憩いの場として市民から親しまれています。

 

加茂山公園は「新潟県森林浴の森百選」に選ばれています

 

神池と呼ばれる4つの池には水車や噴水、東屋があり、涼しげな水の音を聞きながらベンチでお喋りしているシニアのグループがいたり、冷たいものを飲んでいる若いカップルがいたり、それぞれ話に花を咲かせています。さらに進むと、彫刻の森が登場します。公募で選ばれた作品16点が屋外展示されていて、太陽の自然光が訪れる時間帯によって作品のさまざまな顔をみせてくれます。

 

神池

 

彫刻の森

 

加茂山公園は、雪椿の群生地でもあります。寒く厳しい新潟の冬をじっと雪の下で耐え忍び、春になると美しい花を見せてくれる雪椿は、粘り強く生命力あふれ、いかなる困難も克服する強さを持つ県民性を象徴しているとも言われています。雪椿は「新潟県の木」であり、「加茂市の花」にも選ばれています。雪椿園には約100種類もの園芸品種約1300本が植栽されていて、4月には雪椿まつりも行われます。

 

雪椿園

 

見どころがたくさんある加茂山公園ですが、訪れたらぜひ立ち寄ってほしいのがリス園です。園の中に足を一歩踏み入れると、あちらこちらをリスが自由に走り回っているのが見えます。そしてリスのエサのヒマワリの種を手に載せると、人慣れしているので、あっという間にどんどんリスが寄ってきて、手のひらから肩、背中にまで乗ってきて、自由に遊び回ります。リスが苦手でない人は、身近でリスに接することができる機会を楽しんでみてください。ただし、気付かずにケガをさせてしまわないように、足元にリスがいないかよく確認してから歩いてくださいね。
そのほかに市内を見渡せる見晴台や、全長150メートルもの大型スライダーも楽しめます。青海神社を参拝したら、加茂山公園の散策もあわせて楽しんでみてください。

 

加茂山リス園

 

放されているリスにエサをあげて触れ合うことができる

 

園内にある小林幸子さんのヒット曲「雪椿」の歌碑

 

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アクセス

新潟県加茂市大字加茂229
TEL 0256-52-0671
JR「加茂駅」より徒歩5分
詳しくは、下記オフィシャルサイトをご覧ください。
http://www.aomi-jinjya.or.jp
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