縁結びと金運にご利益あり「敷津松之宮(大国主神社)」

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敷津松之宮(しきつまつのみや)の由緒はとても古く、神功皇后が三韓征伐より帰朝の折、敷津の浜に荒波が打ち寄せるのを目にして、渚に松を3本植えたあと、ここより潮が満ちないよう素盞嗚尊に航海の安全を祈願されたことをその端緒としています。

 

社名の敷津松之宮とはこの祈願した場所のことを指すようですが、それから時を経た延享元年(1744年)には降りたご神託によって敷津松之宮の中に出雲大社が勧請され、程なく摂社の大国主神社が境内に建てられました。以後は参れば商売繁盛のご利益のある社として「東は今宮の戎さん、西は木津の大黒さん」として多くの人に親しまれています。

 

南の鳥居。目線の先に敷津松之宮が鎮座しています

 

敷津松之宮。素戔嗚尊が祀られています

 

1つの境内に2つの主要な殿が存在している当神社ですが、上にも述べたように敷津松之宮には素盞嗚尊が、そして大国主神社には大国主命が祀られています。実はこの2柱、大国主命が素盞嗚尊の娘に求婚、射止めたことで義理の親子の関係性にあります。ただそれに至るまでには幾つかの関門があったようで、当初は大国様の「娘をくれ」との懇願にも素盞嗚尊は一切首を縦に振らなかったようです。しかし大国様があまりにもしぶとく訪れるものだから、それならばと素盞嗚尊が「三難」を示し、それらを無事攻略できれば娘をおまえにやろうという条件を明示しました。その三難は大黒様をおおいに苦しめました。が、愛ゆえのパワーによってそのことごとくを制覇します。そして全ての難を乗りこえた大黒様は見事娘と婚姻を成し得るに至りました。大国主神社が縁結びのパワースポットとして名高いのは、こうしたエピソードが時代を通じて語り継がれてきたからに他なりません。

 

大国主神社。敷津松之宮同様、東の鳥居から直線上に配置されています。大黒さんを祀っています

 

大国主神社の殿前には狛犬ではなく「狛鼠」が鎮座しています。よく見ると一方は米俵、もう一方が小槌を持っていますが、それらは大黒様の所有物とされ、素戔嗚尊の提示した三難遂行の最中、火に取り囲まれた大黒様を地下の洞穴に誘った縁から大黒様の神使として仕える身になったのだそうです。当初はなぜ鼠?と腑に落ちませんでしたが、調べてみることで意外な理由がはっきりするものですね。

 

折口信夫石碑

 

木津勘助の銅像。木津川の開拓工事に従事するなど大阪繁栄の基礎を作った人物として知られ、銅像はその功績を讃えたもの

 

大黒様を祀っているだけに、どうしても縁結びのご利益にばかり目がいってしまいますが実はこの神社、金運を高めてくれるパワースポットとしても全国的に知名度が高いのです。その誉を象徴するのが金運を呼び込む「種銭」と呼ばれるお守りでしょうか。そのお守りを財布や金庫に入れておくことでどんどんお金が増えると言われています。購入したことで宝くじに当たったなんていう声も多数寄せられていることからもその効果は窺い知れますね。

 

さて、大国主神社に参拝した後は、ぜひ、当神社から徒歩約10分の距離にある今宮戎神社にも参ってみてください。古来より「えびす・だいこく両社詣って本まいり」というフレーズがあるように、両社をペアで巡ることによって願いの成就が深まるとされてきました。
その理由は今宮戎神社に祀られる事代主神(えびす様)が大黒様の子どもである点、そして大黒様の義父が素戔嗚尊である点から両社を巡ることで親子三代の神様に参拝したことになるから。いずれも言わずとしれた有名な神様ですから、参ることできっとあなたのお力になってくれると思いますよ。

 

境内にある小さな社

 

忠魂碑

 

境内景観。ビル群に囲まれた街中に立地しているためか、この場所だけが異彩を放っているように感じられました

 

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アクセス

大阪府大阪市浪速区敷津西1丁目2−12
TEL 06-6641-4353
地下鉄御堂筋線「大国町駅」から徒歩3分
詳しくは下記サイトをご覧ください。
http://guide.travel.co.jp/article/13846/
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