天下取りの出発点で「出世」「必勝」パワーを〜愛知県清須市・清洲城

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尾張の戦国武将・織田信長の「天下取りの出発点」と言われているのが、愛知県清須市にある清洲城です。今川義元との「桶狭間の戦い」で2万5千もの今川軍に対し、信長はわずか2千の兵を引き連れて清洲城から出陣し、見事に勝利をおさめました。その後、織田氏が急成長して天下統一を図ったのは、よく知られた話です。

 

清洲城の歴史を少し振り返ってみましょう(ここでは、歴史上に登場する地名・施設の場合は「清須」「清須城」「天守閣」、現在の施設の場合は「清洲城」「天主閣」と表記しています)。

 

そもそも清須は、鎌倉街道と伊勢街道が合流する「交通の要」。どこへ向かうにも便利で、重宝されていました。その誰もが手に入れたい場所に応永12年(1405)、幕府管領の斯波義重(しばよししげ)が、下津城の別邸として建てたのがはじまりです。文明8年(1476)に下津城が戦乱で消失したため、守護所(守護が居住する館)を清須城に移転。その後、斯波三奉行の一人であった織田信秀(信長の父)が居城とするようになります。信長が入城したのは弘治元年(1555)のことで、およそ10年間を清須城で過ごしました。

 

慶長14年(1609)、徳川家康によって清須城廃城と名古屋城築城が命ぜられ、清須の町の建物や機能すべてが移転する「清洲越」が行われました。これに伴い、清須城は取り壊されてしまいます。現在の「清洲城」は平成元年(1989)、旧清洲町の町政施行百周年記念事業の柱として再建整備されたものです。

 

五条川にかかる大手橋。城の大手門へとつながっている。鮮やかな朱色が印象的

 

信長が熱田神宮へ奉納した塀をモデルに造られた「信長塀」。信長は桶狭間出陣の際、熱田神宮に戦勝祈願していた

 

天主閣は1階から4階まであります。まず1階は、清須の成り立ちと歩みを知ることができる「プロローグゾーン」。2階は“清須城と城下町”をテーマにした「戦国の都・清須ゾーン」。3階は、信長をはじめとする清須と関わりの深い武将を紹介した「覇者たちのルーツ・清須ゾーン」。そして4階が「天下一吉例ゾーン」で、清須の眺望を堪能できるエリアとなっています。

 

庭園から撮った天主閣。庭園は白砂敷きの枯山水で、岐阜の美濃石を配している

 

1階には、清洲城下町遺跡からの出土品も展示されている

 

各種展示や映像、打掛の試着体験など、どの階も楽しめますが、パワースポットとしてぜひおすすめしたいのが4階に展示してある「金鯱」と「信長公吉例太鼓」です。「金鯱」は天主三層のものと同形で、実際に手をふれて感触を確かめることができます。それだけでなく、金鯱は清洲城を火の手から守る守り神なので、ふれれば運気が開けるとか。阿形(あぎょう)と吽形(うんぎょう)の一対あるので、両方ともしっかり撫でておきましょう。

 

天主の金鯱は、青銅製で金箔三枚押し。展示されているのは同形のもので、手前が阿形、奥が吽形

 

信長公吉例太鼓。奥に見える像は「出陣の舞」を踊る信長

 

また「信長公吉例太鼓」は連戦連勝をおさめた信長の出陣太鼓にちなんだ、太鼓を打つ信長の像です。太鼓は本物で、誰でも自由に打つことができます。自身の夢の達成や勝利を祈願して打てば「願いがかなうかも」ということなので、ここはドーンと勢いよく音を響かせておきたいものです。

 

金鯱にふれ、太鼓を打ったあとは、しばし清須の町の眺めを味わって。天気が良ければ、名古屋の街並みまで見渡せます。信長にはじまる遠く戦国の世に思いを馳せれば、当時の空気や人々の思いが伝わってくる、そんな気がすることでしょう。

 

五条川を挟んで清洲城の対岸にある「清洲公園」にも足を伸ばしてみてください。大正11年(1922)開園と古いのですが、平成11年(1999)にリニューアルし、織田信長の銅像が建てられました。平成24年(2012)には、信長像の脇に妻である濃姫の像も清洲城広場(清洲城横)から移されました。公園は「始まりの地〜二人の愛と希望の丘」と名付けられ、夫婦円満・恋愛・立身出世・必勝祈願の新しいパワースポットとなっています。

 

清洲公園の信長像。桶狭間の戦いに出陣する姿を模したもので、桶狭間の方向を見据えている

 

清洲公園の信長像脇にある濃姫像。信長を見つめる表情やしぐさが、なんともせつない

 

さらに、清洲公園の北側「清洲古城跡公園」へもぜひ。長きにわたり、清洲城跡地として保存されてきました。信長を祀る小さな神社があり、毎年6月2日の命日には社前で「織田信長公顕彰祭」が行われています。

 

清洲城と2つの公園。この辺りは桜の名所としても知られています。これからの季節、のんびりと散策し、清須の町と歴史を満喫してください。

 

「芸能文化館」の外観は、初期の書院造。内部には黒木書院、芸能の間、ふれあいの間がある

 

庭園にある水琴窟(すいきんくつ)。写真左の筒に耳をあてると、地中に落ちる水の音が聞ける

 

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アクセス

愛知県清須市朝日城屋敷1-1
TEL 052-409-7330
名鉄名古屋本線「新清洲」駅から徒歩15分(駅から「きよす あしがるバス」グリーンルート)
JR東海道本線「清洲」駅から徒歩15分(駅から「きよす あしがるバス」オレンジルート)

詳しくは、下記オフィシャルサイトをご覧ください。
http://kiyosujyo.com
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