松江のゼロ磁場

去る10月、松江城の大茶会を取材しようと松江を訪ねました。茶会の前日に松江入りし、折角なので他に何か取材対象になりそうなニュースはないかと観光案内所で聞いたところ、教えてもらったのが「ゼロ磁場」。最近はパワースポットがブームとなっていますが、その関係もあってか出雲や松江に来る女性ツーリストが近年増えています(事実、東京~出雲便は、常時ほぼ満席!)。そうした中で、新しい話題のスポットが松江市内にあるゼロ磁場だそうです。

 

何かゼロ磁場の資料を貰えないかと聞いても何も準備はないそうで、案内所の方も行ったことがないらしく「ぜひ見てきて、帰りに再度立ち寄って教えてほしい」と逆に注文をいただきました。そのくらいにまだホット?なスポットのようです。唯一、案内所の方が何かネットで見つけた誰かのブログを印刷してくれました。さらに市内の旅館の方がちょっと詳しいということで教えていただき、さっそく電話で聞いてみました。

 

「観光案内所で、Aさんがゼロ磁場に詳しいと聞きまして・・・」
旅館Aさん「詳しくはないですが、分かることなら教えますよ」

 

そこで、Aさんにはゼロ磁場への行き方を教えてもらいました。
でも、ゼロ磁場の話はどうも怪しく思えたのでストレートに尋ねてみました。

 

「ところで、そのゼロ磁場では何か感じましたか?パワスポなんですよね」
旅館Aさん「いや、特には・・・。もっと知りたければ先生に会ってみては?」

 

「先生??」

 

いただいたブログの資料を見ても怪しい感じで、直接、現地を見る方が早いと思い、翌朝タクシーで向かうことにしました。

 

赤い幟が立ち並ぶ怪しい場所

前日に聞いた通り、しんじ湖温泉駅から西へ約500mにある天倫寺をまずは目指してタクシーを走らせました。寺の前の坂道を上り、閉鎖されたサウナの前を通り、さらに道なりに進んだ右手の小山に赤い幟が立ち並んでいる不思議な、というより少し不気味な光景が目に飛び込んできました。すぐにこれだと分かりました。
赤い幟は急な階段の両脇にたくさん立ち並び、入口には「幸魂山 役行者尊 参拝道」と大きく書かれていました。また、その看板には「福徳開運 心願成就」ともあるので、人々が集う寺社のようでもあります。

 

ともかく場所が見つかったのですが、ここから一人で歩いて入るのが少し怖いなあと思っていましたら、階段の上の方から中年の男性が下りてきました。「ゼロ磁場はここですか?」と聞くと、男性はうなずき間違いないことがわかりました。その方は親切にも私を案内してくださいました。森の中の細い参拝道は50mほどで、両脇には信者たちから奉納された赤い幟が延々立ち並んでいます。そして祠のようなものがある場所に到着しました。

 

目印は天倫寺。その前にある登り坂を道なりに進むと見つかります

 

やっと見つけた、ここゼロ磁場の入り口?

 

でも、まだゼロ磁場かどうかよく分からない?

 

参道の両脇には信者が奉納した赤い幟が立ち並んでいました

 

男性はやさしくつぶやきました。

 

「ここは昔から陣賀山と呼ばれています。毛利元就と山中鹿之助が戦った古戦場です」
「結界を切った範囲は大丈夫ですが、そこを出てはいけません」
「結界の向こうの茂みは絶対に撮影しないでください」
「何かあるといけないので、ここで線香をあげてください」
「ここを守っているのが役行者(えんのぎょうじゃ)尊、あちらにいます」

 

朝日がまばらに差す森の空気はとてもどんよりしていて、落ち着かない中で男性の話しをただ聞くだけでした。

 

ブログなどを参考にすると、旅館Aさんの言う「先生」とは松江市内に住むKさん。この方は山伏で平成18年にこの地を“発見”されたそうです。ただ、昔からこの地は聖地だったので、Kさんが発見者なのかはよくわかりません。

 

参拝道の途中には小さな看板がありました。

 

そこには

 

「はじめておいでの方は入山説明料として1,000円を払い、Kさんからゼロ磁場の超パワースポットの話を聞いてほしい」
「Kさんから気を受けること、最低30分」
「観光客のひやかしはお断り」

 

というようなことが書いてありました。幸い(?)、大茶会の取材もあるので、そうのんびりもできず、「残念ですが、そろそろ失礼します」とお世話していただいた男性に挨拶して、待たせていたタクシーで退散しました。

 

ここがゼロ磁場、見えにくいですが小さな祠があり、私も線香を上げました

 

祠の奥には役行者尊の像があり、ここを守っているそうです

 

役行者尊の礼拝の仕方

 

参道の途中にみつけたゼロ磁場の証拠!?

 

役行者尊の礼拝の仕方

 

入山説明料とは何でしょう?

 

ゼロ磁場ってなんだろう

 

Kさんが管理するブログによると

 

「ゼロ磁場は役行者(えんのぎょうじゃ)尊が示された聖地です。大日如来の化身です。信じましょう、祈りましょう」
「ゼロ磁場の6つの効果。 ①芳香療法  ②音療法  ③赤外線 遠赤外線療法 ④光療法  ⑤陽子線療法 ⑥新しく光子療法?」
「これらの療法にゼロ磁場の気が重なると、参拝者の誰かに“神仏の御利益”“奇跡”が生じるようです」
「今ゼロ磁場には素晴らしい氣、波動が降りてきています。それを証明するため、私たちに知らせるため ①バケツの水が左回り ②ドングリが右回り ③ミニ護摩の「法煙」が左回り と、次々と不思議現象を見せつけられています。これは何を意味するかわかりますか?」

 

このようにゼロ磁場の由来や、不思議な出来事を紹介しています。

 

日本を代表するゼロ磁場は「長野県の分杭峠」

 

ちなみに、長野県伊那市にある南アルプスの西側、伊那山脈の峠の一つ、標高1400m余りのところに分杭峠があり、ここがゼロ磁場として知られています。平成7年に中国から来日した著名な気功師がその地の気の強さを認めたそうです。
パワスポブームでTVでも紹介され全国的に有名になりました。今ではそこへ通じる山あいの未舗装の細い道が渋滞するので、危険を避けるためにも周辺の駐車を禁止し、随分手前から歩かないとたどり着けなくなりました。
分杭峠は日本列島を貫く中央構造線の真上にあり、性質の異なる地層がぶつかりあうことで、気を発生しているのだそうです。この気はゼロ磁場に由来するというのです。気の研究者によると、2つのエネルギーが向き合うことによって、本来発生するはずのエネルギーが見かけ上はゼロになって見える状態で、その「ゼロ磁場」から、気が発生しているのだそうです。分杭峠の気場に行った人の中には、病気が治った、体調が良くなったなどの報告もあるそうですが、一方、特に何も感じなかったという人も多いようです。

 

松江のゼロ磁場と呼ばれるところを今回訪問しました。私は霊感もなく何も感じないタイプですが、その場所に立つとかなり怪しいただならぬ雰囲気を感じました。それは冷気というか何とも表現できない、落ち着かない気分でした。ただ不思議な現象は何も見ておりません。以上が私の松江のゼロ磁場訪問記です。

 

【注意】

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