招き猫発祥の地はココ?!「豪徳寺」

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桜と紅葉の名所でもある「豪徳寺」

 

パワースポット紹介の第一回目は、台東区の今戸神社を取り上げました。縁結びのご利益があり、なおかつ招き猫発祥の地とご案内しましたが、実は諸説あり、本当のところはどこなのかわかっていません。

今回ご紹介しますのも、招き猫発祥の地と言われているお寺、世田谷区の豪徳寺です。

 

仏殿前には、黒く輝き目を引く立派な香炉があります

 

2006年5月に建立されたばかりの三重塔

 

豪徳寺では招き猫を“招福猫児(まねきねこ)”と記します。このお寺こそが発祥の地では!?と思わずにはいられない、そして、なぜこの漢字を使うのかが理解できるエピソードをわかりやすくまとめると、次のとおりです。

昔むかし、貧しいお寺に猫が大好きな和尚さんがいました。和尚さんは、自分の食事を分け与えるほど、まるで子どものように猫をかわいがっていました。ある日、和尚さんは猫に向かって「私に恩を感じるなら、何か果報を招き寄せておくれ」と言い聞かせました。
その後月日が流れ、とある夏の日の昼下がりのことです。門前が騒がしいので和尚さんが行ってみると、鷹狩の帰りらしい武士が入ってくるところでした。「お寺の前を通りかかったら、門前に猫がいて、こちらを見て手を上げて招いているようだった。しばらく休憩させてくれないか」と言うので、和尚さんは慌てて奥へ招き入れました。すると、空がたちまち曇って夕立が降り出し、雷まで鳴り出しました。

猫に招き入れられ雷雨を逃れることができた武士は、お茶をふるまい、説法した和尚さんに大変感謝しました。その武士というのが、近江彦根藩第二代藩主・井伊直孝(1590~1659年)だったのです。これが縁となり豪徳寺は吉運を開き、やがては井伊家の菩提寺となりました。幕末の大老・井伊直弼の墓は、都指定史跡になっています。
和尚さんは猫の恩に報いるために墓を建て、“招福猫児”と称えて崇め祀れば吉運がやって来て、家内安全、商売繁盛、心願成就すると言われるようになりました。

 

歴史上の大物が絡むこのエピソード、真実味があって、「ココこそが?!」と思ってしまいますよね。和尚さんがかわいがっていた猫は白い猫で、名前は“タマ”と言ったそうです。
白い猫で思い浮かぶキャラクターはありませんか?井伊家は近江彦根藩でした。白い猫、キャラクター、彦根といえば……“ひこにゃん”です。ひこにゃんは和尚さんのタマがモデルになっているんですよ。

 

招福殿と向かい合う三重塔の二層には、よく見ると猫と観音様の姿があります

 

休日は観光や花見に訪れる人が多く、明るい雰囲気です

 

豪徳寺では、豆サイズ(1~2cm)から尺サイズ(約38cm)まで、8種類の大小さまざまな招福猫児を購入することができます。ほかで見かける招き猫は、小判を持って右手を上げていたり、左手を上げていたり、はたまた両手を上げていたりしますが、豪徳寺の招福猫児はいたってシンプル。右手を挙げ、首に鈴を下げているだけで他には何も持っていません。素朴な白い猫です。

 

招福殿の横には奉納所があり、驚くほどの数の招福猫児がきれいに並んでいます。これが、小判を持った黒や白のテカテカ光った、手もバラバラに上げている招き猫で、しかもあらゆる欲望が込められているかと思うとゾッとしそうです。しかし、豪徳寺の招福猫児は、お利口さん、優等生かのように、大きさは違えど同じ姿とポーズで皆たたずんでいます。なんとも健気な様子です。

 

受付で購入できる、大小さまざまなサイズの招福猫児

 

一瞬ギョッとする、招福猫児の奉納所

 

絵馬にも招福猫児は描かれていて、猫+その年の干支のデザインです。今年は猫+龍の絵馬ですが、見ようによっては、猫が龍に食べられそうな微妙な配置がユーモラスです。
○○ちゃんの猫アレルギーが良くなりますように。○○(←おそらく猫の名前)の病気が早く治りますように。猫好きの○○ちゃんが高校合格しますように。
などなど、絵馬に託すお願いも、猫にまつわるものが多いのも豪徳寺ならではです。

 

招福猫児を主に紹介しましたが、清々しい気持ちになる緑豊かな参道と、広々とした境内も豪徳寺の魅力です。ぜひお天気の日に出掛けてみてくださいね。

 

上目使いがカワイイ招福猫児

 

絵馬にも、もちろんしっかり招福猫児が描かれています

 

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アクセス

東京都世田谷区豪徳寺2-24-7
TEL 03-3426-1437
小田急線「豪徳寺駅」より徒歩10分
東急世田谷線「宮の坂駅」より徒歩5分
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