縁結び参りしている姿を見られたくない「洲崎神社」

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日本全国にパワースポットは数あれど、愛知県名古屋市にある「洲崎神社」は、お参りの仕方がユニークな“縁結び”のパワースポットです。名古屋駅から、また名古屋の繁華街・栄からも少し頑張れば歩ける距離にあり、ビルとマンションに囲まれた場所に、ひっそりと洲崎神社はあります。

 

繁華街に近いものの、落ち着いた環境にある「洲崎神社」

 

小さそうに見えますが、くぐってみると意外と余裕のある鳥居

 

洲崎神社のご祭神は、病や災厄を除いてくれる素戔嗚尊(スサノオノミコト)と、その妻の稲田姫命(イナダヒメノミコト)です。ご祭神からもわかるように、無病息災、家内安全のご神徳がある神社です。
縁結びのパワーを授かるためには、まずは本殿をお参りします。次に、本殿に向かって右隣にある石神鳥居の小さな鳥居を腹ばいになってくぐって鈴を鳴らし、祀られている猿田彦命(サルタヒコノミコト)をお参りします。この小さな鳥居、目測でタテヨコともに40~50cmほどの大きさしかありません。そんな鳥居に頭から入って行ってくぐるなんて、小柄な女性以外は、鳥居を見たとたんに躊躇してしまうような小ささです。
しかしこの鳥居、実は見た目以上に大きいので、どんな体型の人でも心配いりません。お相撲さんが名古屋を訪れた際に、後援会の方に連れられて洲崎神社にやって来て、難なく小さな鳥居をくぐってお参りして帰られたそうですから、一般の人なら余裕でくぐれるはずです。そして、最後に猿田彦命の妻の天鈿女命(アメノウズメノミコト)が祀られている、「えんむすびの神」の看板がある道祖神の元に向かい、こちらでも鈴を鳴らして参拝して終了です。

 

最後にこちらをお参りして、縁結び参りは終了

 

商売繁盛のご神徳がある白龍龍壽大神も祀られています

 

神職の方に縁結びについて話をうかがったところ、「縁結びというと、恋愛のイメージが強いかもしれませんが、そのほかにも家族、友だち、仕事など、さまざまな良縁をとりもつものです」とのことでした。
ヨイショヨイショと、太鼓橋にかかる小さな鳥居を腹ばいになってくぐる姿は、できれば人に見られたくないもの。そのためか、お正月やお祭りで賑わうときには、縁結びのお参りをする人の姿はなく、人気の少ない朝方や夕方にお参りされる人がほとんどだとか。女性4~5人のグループでやって来て1人ずつお参りし、その他の人は自分の順番が来るまで離れたところで静かに待っている…といった、大勢でやってきても厳かに参拝する人々が多いのも特徴だそうです。それだけ真剣に良縁を求める人々が、噂を聞きつけて訪れているパワースポットだという証です。

 

無病息災、家内安全、縁結び、これらだけでも十分ですが、洲崎神社のご神徳はまだあります。本殿の右手奥には白龍龍壽大神が祀られていて、商売繁盛のご神徳があるそうです。仕事運アップを望む人は、こちらも忘れずに参拝するとよいでしょう。

 

境内には干支が点在していて、12支参りもできます

 

神職の方が1つ1つ彩色している「五色鈴」

 

また、洲崎神社にはご神木の大きなイチョウの木があり、その実をかたどった土鈴「五色鈴」は、参拝客のほか全国の郷土玩具愛好家の間で人気があります。尾張徳川家が名古屋市内に町を開いた頃、疫病が流行したため、領主が洲崎神社に神鈴を納めて病災解除を祈念しました。この故事にならって、無病息災の神鈴を授けるようになったのが五色鈴のはじまりと言われています。素焼きの土鈴に彩色をしているのは、なんと神職の方。手塗りの素朴さが魅力の五色鈴は、紐をつまんで揺らすと軽やかな鈴の音がして、明るい気分にしてくれます。

 

手描きの見事な「猿曳きの絵馬」

 

五色鈴のほかにも、神職の方の手によるものがあります。「猿曳きの絵馬」です。もともと絵馬は、神社や仏閣に祈願や感謝の気持ちを託して生きた馬を奉納する代わりに、馬の絵を描いて奉納するものです。江戸時代からの図柄に倣っている“猿引きの馬”は、馬の疫病除けとして信仰されている猿が神馬を曳いている姿を描いている絵馬で、無病息災のお守りとして、自宅等に飾っておくとよいそうです。
縁結びのお参りをしたら社務所を覗き、洲崎神社でしか入手できない品々を手にしてみてはいかがでしょうか。

 

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アクセス

愛知県名古屋市中区栄1-31-25
TEL 052-201-3834
地下鉄東山線・鶴舞線「伏見駅」より徒歩10分
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