島根県のパワースポットといえば、なんといっても「出雲大社」が有名ですよね。60年ぶりの大遷宮が行われ、今年はいつもより多くの参拝客でにぎわっています。
アクセスもよく、大イベントを迎えた出雲大社が大人気なのは頷けます。しかし、公共交通機関を利用して訪れるのにはかなり不便で、辺ぴな場所にある神社が、島根県の隠れたパワースポットしていま注目を集めています。
ご覧のとおり自然に囲まれたのどかな場所にあります
華やかな色味はまったくなく、ただただ厳かな雰囲気
今回ご紹介する須佐之男命(すさのおのみこと)がご祭神の「須佐神社」は、近隣にコンビニや大きなお店もない、片田舎にあります。小学生の女の子たちが、すれ違う際に「こんにちは!」と挨拶をしてきてくれるような、穏やかな印象の町です。そんな町にある須佐神社は、ちょっとさびれたような地味な雰囲気。ぱらぱらとやって来る女性グループやご夫婦は皆、静かに参拝しています。
いわれが分からないものの、境内でひときわ目を引く石の亀
本殿は出雲大社と同じ大社造り。県の重要文化財に指定されています
本殿を参拝した後で皆さんがまっすぐ向かうのは、本殿の裏側。雑木林のような裏手にあるのは、“大杉さん”と呼ばれる樹齢約1300年の大杉です。その昔、加賀藩から「帆柱にしたいから金800両で譲ってほしい」との申し出があったものの、それを断り、いま現在も雄々しい姿を保っています。幹の周りは約6mもあり、根周りは約9m、高さは20m以上。この大杉さんの周囲は並々ならない“パワー”が感じられるとして、注目を集めているのです。森林浴をしているような感覚のなか、目に見えない力を得ることができそうなパワースポットです。
また、須佐神社には「須佐の七不思議」なるものがあります。
本殿の裏にある「相生の松」は、昭和のはじめに枯れてしまい今は跡しか残っていませんが、「雄松と雌松がひとつになっていた。神社の西を流れる須佐川の下流に、雨壺といわれる大きな岩があり、この岩の穴をかき回すと神が怒り暴風雨が起こり洪水になる。」といった不思議なお話にちなんだものが、境内や神社周辺に点在しています。現存しているそのもの自体を見てみたいという方には、境内にある塩井(しおのい)がおすすめです。
左中央から右下へ伸びている根の太さから、「大杉」の大きさがわかるでしょうか
須佐の七不思議の1つ「塩井」
境内に湧出している塩井は、須佐之男命が自ら潮を汲んでこの地を清められたという伝説が残っています。出雲大社近くの稲佐の浜に続いているといわれていて、湧出量が日によって違うのは、潮の干満と関係があるからともいわれています。満潮の時には、付近の地面に潮の花をふくそうです。また、浜につながっているため、水はほんのり塩気があるとか。浴用、飲用に用いれば万病に効果があり、産湯に少し用いれば幼児が健康に育つという塩井の水は、触れるとひんやり冷たく、心身を浄化してくれるように感じます。
スピリチュアルな大杉さんだけでなく、七不思議まであり人を惹きつけてやまない須佐神社。あなたなら何を感じるのか、一度訪れて体感してみてはいかがでしょうか。
[su_note note_color=”#f6f6f6″]
アクセス
島根県出雲市佐田町須佐730
TEL 0853-84-0605
JR「出雲市駅」よりバス40分「須佐バス停」下車後タクシー5分
http://www.susa-jinja.jp/index.html
[/su_note]