癒しのアイランド、淡路島の神話の杜「伊弉諾(いざなぎ)神宮」で幸せ祈願

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大阪市内からでも車で約1時間半、神戸から明石海峡大橋を渡れば、豊かな自然と美しい海に恵まれた淡路島に到着します。「伊弉諾(いざなぎ)神宮」は、その昔、「国生み」の大業を果たされたイザナギノミコトとイザナミノミコトの二柱がお祀りされていて、古くから淡路國の一宮として崇められてきました。

 

本州と淡路島を結ぶ明石海峡大橋

 

県道に面した正門前、私たちを出迎えてくれたのは真っ白な「大鳥居」。花崗岩製の神明鳥居としては全国最大級で、18年前の震災で倒壊したものの、人々の願いにより再建されたそうです。明るく広々とした境内はどこか神々しい空気に満ちていて、砂利道を進むにつれ日常から解き放たれてゆく気がしました。

 

清どっしりと大きな鳥居が圧巻

 

–国生みに始まるすべての神功を果たされたイザナギノミコトが、御子神である天照大神に国家統治の大業を委譲され、最初にお生みになられた淡路島の多賀の地に、「幽宮(かくりのみや)を構えて余生を過ごされた–
地元では「いっくさん」の愛称で親しまれている守り神の歴史をひもとくと、「古事記」と「日本書紀」にたどり着きます。その御住居跡に御神陵が営まれ、最古の神社として創られたのが現在の「伊弉諾神宮」の始まりだそうです。昭和29年には昭和天皇が「神宮号」を宣下され、兵庫県下唯一の「神宮」に昇格しました。

 

国歌などが刻まれている「さざれ石の碑」

 

「古事記」完成1300年を迎えた昨年から、より多くの人々がお参りに訪れています

 

仲むつまじい様子でお参りする姿が目立ったのは、やはり夫婦円満のご利益があると言われているからでしょう。そう、本殿の東側には、樹齢約900年の「夫婦大楠(めおとのおおくす)」があります。もともと二株だった楠が結合してひとつになったという、県指定天然記念物の楠。イザナギノミコト・イザナミノミコトの二神が宿る御神木として、夫婦円満(和合)、安産子授け、縁結びなどの霊験あらたかと、遠方から足を運ぶ人も絶えないそうです。
 「お参りの後は、ぜひ楠にそっと触れてみてくださいね」と、禰宜の稲岡さんが教えてくださいました。中には、夫婦大楠に触れた瞬間、強い「気」を感じとる人もいるのだとか。そっとハグしたり記念撮影をしたり・・・それぞれの願いを胸にお参りする様子に、自然に顔がほころびました。

 

淡路の古地誌には「連理の楠」と記されている夫婦大楠

 

「香」の字が刻まれた香木記念碑(旧一宮町は日本一の線香生産地)

 

カップルや家族連れでにぎわう夫婦大楠の前には、たくさんの絵馬。こちらの絵馬は、桃の形をしているんです。なぜ桃なんですか?とたずねてみると、面白い神話を紹介してくださいました。「古事記」(黄泉国の段)によると、その昔、イザナギノミコトが黄泉国に立ち入られた時、あらゆる手段で醜鬼を追い払おうとしたがかなわず、最後に桃の実3個を投げつけたところ、その霊力により身を守ることができたのだとか。それにちなんで、魔除け・縁起物という意味をこめた絵馬が誕生したのだそうです。

 

桃をかたどった絵馬に願いをこめて

 

売店「せきれいの里」には、淡路産の玉ねぎやお土産が豊富に揃います

 

可愛い絵馬に願いをこめ、婚活中の親友には縁結びのお守りを、売店では甘くて美味しい玉ねぎや花の香りのお線香もゲット。すがすがしい空気で心を満タンにして、境内を後にしました。帰りは明石海峡大橋からのぞむ美しい夕日に見送られながら、いつかまた、お礼参りに来られますようにとお願いしました。

 

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アクセス

伊弉諾神宮
兵庫県淡路市多賀740番地
TEL 0799-80-5001
神戸淡路鳴門自動車道・津名一宮ICより約4km
路線バス「伊弉諾神宮前」下車

http://izanagi-jingu.jp
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