「願いが叶う」東山の新パワースポット~名古屋市・上池竜の忘れ水

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国内屈指の入場者数を誇る、名古屋市東山動植物園。広さ約60ヘクタール、緑豊かな園内には動物園、植物園、遊園地があり、1日では見て回れないほどの充実ぶりで子どもから大人までを魅了しています。中でもひときわ目を引く施設が、東山スカイタワーでしょう。高さ134メートル(標高214メートル)の展望施設。名古屋市制100周年を記念して、1989年に建てられました。地上100メートル(標高180メートル)にある展望室からは名古屋城、JRセントラルタワーズ、名古屋テレビ塔、ナゴヤドームなど市内はもちろん、晴れた日には御嶽山や伊吹山といった山々も望むことができます。

 

今回紹介するパワースポット「上池竜(かみいけりゅう)の忘れ水」は、その東山スカイタワーの5階展望室にあります。2010年に誕生したばかりのモニュメントですが、実は古い伝説に基づいて造られたもので、新しいパワースポットとして瞬く間に多くの人たちが訪れるようになりました。

 

東山動植物園の東側にある「こども動物園」から見た上池と東山スカイタワー

 

カップルは別れる、との噂を払拭すべく登場した「僕たちは別れません!」ピンクボート

 

伝説の舞台となっているのが、やはり東山動植物園内にある上池です。上池では、ファミリーやカップルがボートに乗って、ゆったりとした時間を過ごす光景が連日のように見られます。「東山動植物園に行ってボートに乗る」というのは、デートコースの定番の1つ。初デートに選ぶカップルも少なくないでしょう。にもかかわらず、なぜか何十年も前から「ボートに乗ったカップルは別れる」というジンクスが伝えられていました。単なる噂と思われていましたが、実はこれにはちゃんとした由来があったのです。

 

昔、上池には竜が住んでいて、小さな社もありました。ある年、この社に母の病気が治るようにとお参りをする娘がいました。しかし、願いは叶うことなく娘の母は亡くなってしまいました。その娘の悲しみは尋常なものでなく、不憫に思った竜神は、娘に忘れ水という霊水を与えました。この水の力により、娘は悲しみを忘れる事ができました。<江戸時代後期『尾張千夜噺』~「上池竜の忘れ水」より>

 

「上池竜の忘れ水」モニュメント。中央に竜の水鉢がある

 

短冊は、おみくじ付きで200円。たくさんの人たちが、ここにおみくじを結んでいく

 

この伝説の「悲しみを忘れる」から「人間関係を忘れる」「縁を切る」へ、徐々に内容が変わっていったのではないかと言われています。今ではそれが「願いを叶えてくれる」となりました。

 

5階の展望室へ行くと、まず目に入ってくるのがモニュメントです。こぢんまりとした竜の水鉢が、柵に囲まれています。その横に置かれている自動販売機で、短冊を買いましょう。短冊にペンで「忘れたいこと」や「願いごと」を書いて、水鉢の中に浸してください。あら、不思議。あっという間に溶けてなくなってしまいます。あとは願いが叶うのを待つのみ。

 

願いごとを書いた短冊を写真のように水鉢の中に浸すと、あれよあれよという間に溶けていく

 

360°パノラマ展望室からの眺め。昼間はもちろん、夜景も素晴らしく「日本夜景遺産」にも認定

 

「そんな簡単に願いが叶うの?」などと思っていませんか。東山スカイタワーによれば、実際「願いが叶った」「災難を乗り越えられた」と再び足を運ぶ人もいるそうです。また、タワー最上階にあるレストラン「SKY RESTAURANT NAGOYA 東山」でプロポーズをしたり、ウェディングパーティーをしたりしたカップルには、「新たなスタート」のセレモニーとしての利用も勧めているとか。ここはやはり、ご利益を期待したいところですね。

 

東山スカイタワーへは、地下鉄「星ヶ丘」駅に近いスカイタワー門から直接アクセスできますが、時間に余裕があれば、東山動植物園も楽しんでみてはいかがでしょう(動植物園・スカイタワー共通観覧券あり)。動物園には人気者のコアラやキリン、ゾウをはじめ、は虫類、メダカなど500種類を超える動物が展示されています。また、植物園では約7,000種類もの植物が展示されており「万葉の散歩道」や「薬草の道」など、テーマに沿った約1キロメートルの散策コースを楽しむこともできます。

 

動物園ではぜひコアラを。シンボルマークは、名古屋市出身の漫画家・鳥山明氏によるもの

 

国内最大級のアジアゾウ舎「ゾージアム」も、平成25年9月にオープンしたばかり

 

昼間、動植物園でたっぷり遊んでから、スカイタワーで景色を眺めつつ願いごとを。その後はスカイレストランでゆっくり食事をし、さらに夜景を堪能する__というコースも素敵ですね。スカイタワーと動植物園、ぜひ併せて利用してみてください。

 

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アクセス

名古屋市千種区田代町瓶杁1-8
TEL 052-781-5586(東山スカイタワー)
地下鉄東山線「星ヶ丘」および「東山公園」から、それぞれ徒歩約15分
http://www.higashiyamaskytower.jp/kamiikeryu.html
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