森の中の小さな滝で癒される「有馬温泉鼓ヶ滝」

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静かな森に滝の音だけが響いています

 

名瀑とよばれる滝は数多くありますが、都会からだと、わざわざ出かけるには遠い場所であることが多いですね。私が気分転換に、そしてパワーを得に行く滝は、思いついたらすぐに行ける場所にあります。阪神間、いえ関西の奥座敷とよばれる有馬温泉にある小さな滝です。

 

神戸市北区にある有馬温泉は日本三古湯の一つに数えられるほど歴史は古く、日本書紀に出てきたり枕草子の三名泉にも数えられたとか。地元でよく例に出るのが豊臣秀吉で、何度もこの地を訪れ、湯につかるだけでなく、温泉や周辺の改修を行ったということです。有馬に、今でも太閤○○という地名が残るのは、太閤秀吉への思い入れからかもしれません。
この街を流れる有馬川の上流にあるのが鼓ヶ滝です。かつては滝が上下2段になっており、落ちる滝の音が山々にこだまして鼓を打つような音に聞こえたのですが、何度かの洪水によって岩が崩れて形が変わってしまい、残念ながら今ではそのような音を聞くことはできません。とはいえ、まっすぐに流れ落ちる滝の力強い音は大変心地よいものです。

 

とある平日の午後、思いついて車を走らせました。西宮市から西宮北有料道路で盤滝トンネルを抜け、船坂に出ると空気が変わります。窓を開けると木々の心地よい香りが吹きこんできて、すでに癒されモード。温泉街は細い急な坂道が多く、その周りにホテルや旅館が建ち並んでいます。そこを抜けて少し走ると、有馬名物の炭酸煎餅を作っているお店があります。工場仕様のお買い得品もあって、お土産用に必ず立ち寄る場所です。

 

ロープウェイの有馬温泉駅

 

緑の中を歩いてリフレッシュ

 

六甲山系の清らかな水が流れています

 

六甲山有馬ロープウェイの有馬温泉駅前駐車場に車を停めて、お目当ての滝に向かって歩きます。森に入る細い道、民家の横を静かに歩き、10分も行くと水の音が聞こえてきます。鼓ヶ滝のいわれになった鼓の音とは違った力強い音です。見えてくる滝は、まっすぐに落ちる直瀑。滝の横に小さな茶店が一軒あるだけで、誰もいない静かな場所にただ水音だけが響き、ひんやりしたミストの細かい水滴に包まれると、体の奥から力が抜けてどんどんリラックスモードに。この界隈は有馬温泉で最も高いマイナスイオン濃度だといわれています。
春は桜、初夏のホタル、秋の紅葉、四季それぞれに美しい姿を見せる鼓ヶ滝は有馬六景の一つに数えられる名勝です。癒されついでに温泉に入って帰るのもいいでしょう。地下深くから湧き出る含鉄塩化物泉はその色から「金泉(きんせん)」とよばれ、放射能泉、炭酸水素塩泉の透明な湯は「銀泉(ぎんせん)」とよばれる名湯です。

 

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アクセス

有馬温泉 鼓ヶ滝
兵庫県神戸市北区有馬町
六甲有馬ロープウェー有馬温泉駅下車、徒歩10分
http://www.arima-onsen.com/
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