逆境に立ち向かう強さにあやかる一寸法師大明神

0

「むかしむかし、子どものないおじいさんとおばあさんが、住吉の神様に願いをかけて、生まれた男の子はわずか一寸(3cm)の大きさでした。一寸法師と名付けられた男の子は、青年の年頃になっても一向に大きくならず次第に両親は疎ましく思い始めました。それを知った一寸法師は志をたてて、都に上ることを決めました。……」
この昔話の舞台は、津の国の難波の里、今の大阪です。そして一寸法師が、お椀の船に箸の櫂で京の都に漕ぎだしたのは住吉の浦だったのです。

 

それにちなんで、大阪難波の道頓堀に「一寸法師大明神」が祀られています。道頓堀といえば、グリコの巨大なネオンサインで知られるミナミの繁華街です。松竹座、かに道楽、くいだおれ太郎などが有名ですね。この賑やかな町に1本の柳の木があります。そこはきつねうどん発祥といわれているうどんの「今井」の店。その横の細い細い路地が法善寺横丁に通じる幅1m20cm、全長約46mの「浮世小路」です。

 

法善寺横丁

 

恋愛成就、商売繁盛にご利益があるという水掛け不動さん

 

この道の両側に大正から昭和の雰囲気をたたえた風情あるペーパークラフトが飾られています。そして、「一寸法師大明神」の社と「一寸法師おみくじ」があるのです。100円を入れて、無の心でおみくじを引くと……。かわいいイラストのおみくじです。どんな人にも元気を与えるような、時にはクスッと笑えるようなユーモアが交ざった大阪弁で運勢が書かれています。また、「開運の仕方おしえたろ」と、地元大阪でできる面白い開運法があるのも面白いと修学旅行生の話題になり、人気が出ました。法善寺横丁の水かけ不動さんと合わせてお参りすれば、パワー倍増間違いなし!

 

一寸法師大明神、小さなお社です

 

一寸法師おみくじ

 

浮世小路は映画「夫婦善哉」にも出てくる場所で、近年、周辺が2度の火災に見舞われました。そんな法善寺横丁を元気づけたいと、市民が中心になって2004年にこのユニークな企画が完成したのです。
一寸法師は、鬼退治で打出の小槌を得て、立派な青年の背丈になり、宰相殿の姫と結ばれ、その後、両親を都に呼び寄せて幸せに暮らしました。知恵を絞り、自分の力で望みをかなえた一寸法師にあやかったおみくじ、ぜひ、あなたも引きに行ってみませんか。

 

[su_note note_color=”#f6f6f6″]
アクセス

浮世小路
大阪市中央区道頓堀1-7-22
地下鉄御堂筋線なんば駅、南海難波駅から徒歩5分
[/su_note]