東京スカイツリーの氏神さま「牛嶋神社」

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境内からスカイツリーを望めます

 

今回ご紹介します「牛嶋神社」は、境内のどこからでもドーン!とそびえ立つ東京スカイツリーを望める好立地にあります。ただ近いだけではなく、牛嶋神社とスカイツリーは切り離せない関係にあります。牛嶋神社はスカイツリーの地鎮祭を行った氏神さまなのです。

 

最近でこそスカイツリーの氏神さまとして知られるようになった牛嶋神社ですが、もともとは境内に、ある動物が鎮座していることで有名です。それは、墨田区の登録文化財にもなっている「撫牛(なでうし)」です。
撫牛は文政8(1825)年ごろ奉納されましたが、当初は牛の形をした自然の石だったようです。撫牛という名前のとおり、触って撫でてOK。江戸時代からすでにあった風習で、自分の身体の悪い部分を先に撫でてから、牛の同じ部分を撫でると病気が治るといわれています。以前ご紹介しました巣鴨のとげぬき地蔵の「洗い観音」も、観音菩薩像に水をかけて自分の具合の悪い部分を洗うと治るといわれていて、訪れるおじいちゃんやおばあちゃんのほとんどが洗うところは同じで、膝がピカピカだったのが印象的でした。

 

取材に行った日、奥の社殿で厳かに結婚式が執り行われていた「牛嶋神社」

 

緑豊かな隅田公園に隣接しているので、のんびり散策を楽しんでください

 

さて、こちらの撫牛はどの部分がピカピカかというと、背中と足の付け根部分です。横たわっているのでいちばん撫でやすい場所だからかもしれません。撫牛を見ていると、おじいさんがやって来て自分の腰をポンポンと叩いたかと思ったら、慣れた手つきで撫牛の背中をひと撫でして去って行きました。「背中=腰」として撫でる人が多いのかもしれません。
撫牛が有名なのは、身体の悪い部分を治してくれるからだけではありません。ほかでもない、心をも健やかにするからです。江戸時代ももちろん人々に悩みはあったかもしれませんが、ストレスを抱える人が多い現代こそ、撫牛は必要かもしれませんね。この場合はどこを撫でればいいのかわかりませんが…。
撫牛のご利益はほかにもまだあります。子どもが生まれたら、よだれかけを奉納してそれを子どもにかけると健康に成長するという言い伝えもあります。ただのんきに寝そべっている牛ではないのです。思い悩んだとき、子どもを授かったとき、身体が不調になったとき、人生の節目、節目に撫牛は寄り添っているのです。

 

境内では「撫牛」がじーっと寝そべっています

 

近づいてみると、どれだけ人々から信仰され撫でられているかがわかる、“照り”があります

 

牛嶋神社は、名前に「牛」がついていて、しかも撫牛が有名。なぜこんなに牛と縁があるのでしょうか。文武天皇(700~704年)の時代、現在の向島から両国周辺は牛島といわれていた地域だったからです。広大な土地で草を食む牛の姿が見られたとは、今の東京からは想像できませんが、国営の牧場があったのです。牛がいたこの周辺は様変わりして、今ではスカイツリーが建ち、一大観光地となっています。

 

クリスタル根付守りの中でも、右のスカイツリー版が人気

 

観光でスカイツリーに来られた方は、牛嶋神社にも立ち寄ってみてくださいね。参拝したら、「スカイツリーみくじ」(200円)を引いてみてください。バネでできたスカイツリーが付いているので、ちょっと得した気分になれるおみくじです。置物として、紐をつけてストラップ根付守りとして使用できます。
おみくじ以外に、ここでしか買えないスカイツリー関連グッズもあります。クリスタルのスカイツリーと金の撫牛がコンビになった、神社オリジナルのお守りが大人気!スカイツリーの高さにちなんで、「634円」というのもご愛嬌。話のタネにお土産に購入するのもおすすめです。

 

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アクセス

東京都墨田区向島1-4-5
TEL 03-3622-0973
地下鉄浅草線「本所吾妻橋駅」、東武伊勢崎線「とうきょうスカイツリー駅」より徒歩3分
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