1990(平成2)年の4月~9月、大阪市鶴見区で「国際花と緑の博覧会」が開催されました。日本で4回目となる国際博覧会は「花博(はなはく)」の愛称で親しまれ、183日間でのべ2,312万人を動員。82ヵ国・55国際機構が参加し、アジア初の大国際園芸博覧会として、その名を歴史に刻みました。
花博終了後は、「鶴見緑地の豊かな自然を活用したい」との願いから、園内をテーマ別に整備。大芝生や風車の丘などの緑を中心に、人気パビリオンの存置施設である「咲くやこの花館」、国際庭園や色とりどりの花壇、さらに数々のスポーツ施設など。今では隣接する守口市にまたがる広域公園として、大阪近郊はもちろん、滋賀や神戸など、遠方からもたくさんの人々が訪れています。
駅を出て、花博通の信号を渡ると到着!
公園の入り口まで徒歩圏内の地に住む私にとって、ここは昔から身近で大好きな場所。フラリと散歩に出かけては、季節の花々や緑から癒しとパワーをもらっています。春は桜。早咲きのオカメ桜から定番のソメイヨシノまで、特に公園中心部の大池のほとりに咲き誇るその姿は感動もの。目にもあざやかな初夏の新緑もいいですし、園内を流れる「緑のせせらぎ」では蛍も見られるとか。秋の紅葉に、冬空をはばたく渡り鳥の群れ・・・まさに四季折々、園内のあちらこちらでいろんな表情が楽しめます。
大池ほとりに咲き誇る桜は圧巻
園内のあちらこちらで季節の花々が楽しめる
鶴見緑地のシンボルといえば、やはり「風車の丘」ですね。直径20mの大きな羽がゆったり風に吹かれる様子と、その前をあざやかに埋めつくす大花壇は圧巻。季節ごとにチューリップやサルビア、コスモスなど・・・訪れるたびに違う景色が広がります。シャッターを切りながら「なんだかオランダっぽい雰囲気だなぁ」と感じていたところ、「風車はオランダから設計図を取り寄せて作ったんですよ」と、公園事務所の乾さん。なるほど、それで異国情緒たっぷりなのですね。
真っ赤なサルビアが咲き誇る、初夏の風車の丘
丘を上って左に進むと、「ばら園」に到着。約280種、1,500株の薔薇が植えられていて、花博を記念してつくられた「鶴見’90」は、美しいオレンジ色が魅力です。
お天気が良い日には、「鶴見新山」まで足をのばします。ここ、実は大阪市内で一番高い山(標高45m)で、階段を上ったその先には展望スポットもあります。心地よい風に吹かれ、眼下に広がる街並みを眺めながら、心身ともにリフレッシュを。
「鶴見’90」
鶴見新山へと続く階段にも桜が揺れる
また、花博の面影が残る「国際庭園」では、55の国と4つの日本庭園が自由に観覧できます。タイ、モロッコ、フランス、韓国・・・それぞれ趣の異なる庭づくりを楽しみながら、ちょっとした旅行気分。水車が目印の日本庭園内には茶室もあり、昔ながらの日本家屋や、さわやかな滝の音に癒されます。
国際庭園をゆっくり散策するのもおすすめ
お茶会などに利用できる「むらさき亭」(貸施設)
のんびりと小一時間ほどの散歩を終えて戻ってくると、大芝生の上にはレジャーシートを広げた家族連れ、バトミントンをするカップル、元気に走り回るチビっ子たち。その広さは約53,000㎡、まさに都会のオアシスといったところでしょうか。大阪市内に居ることを思わず忘れてしまうほど、そこには豊かな自然があふれていました。
マイナスイオンたっぷりの大芝生
「木々や季節の花々は日々成長し、私たちを楽しませてくれる。そんな自然の恵みをずっと大切に育みたいですね」。乾さんのコメントに共感しながら、次の休日にはぜひお弁当を持って家族で来たいなと思いました。
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アクセス
花博記念公園鶴見緑地
大阪市鶴見区緑地公園2-163
TEL 06-6912-0650(花博記念公園事務所/平日9時~17時半)
http://www.osakapark.osgf.or.jp/hfm_park/01tsurumi/index.html
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