真摯な願いを神様のもとへ「石切劔箭(いしきりつるぎや)神社」

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神様が宿る場所・・・そんな言い伝えがある、奈良県生駒の地。その自然豊かな生駒山の麓に祀られている石切神社は、「石切さん」の愛称で広く人々に親しまれてきました。
正式名称は「石切劔箭(いしきりつるぎや)神社」だと知ったのは、実はつい最近のこと。私にとっても幼少の頃からずっと「石切さん」だったのです。さらに調べてみると、劔(つるぎ)=剣、箭(や)=矢。「石をも切り落とす」という力強い霊験のもと、でんぼ(腫物)やガン封じなどをはじめ、おもに諸病平癒を願う人々が全国各地から訪れています。

 

新石切駅の陸橋からは生駒山の眺めが圧巻

 

正門鳥居をくぐると、お百度石。熱心に歩く姿に心を打たれます

 

石切さんといえば、「お百度参り」が有名ですね。神社入り口と本殿前にある「百度石」の間を祈りをこめて歩み、時計まわりに往復します。ふたつの石の間は約12~13m。必ず100回という決まりがあるわけではなく、大切なのは「心をこめてお参りすること」だそうです。私が訪れたのは平日の午前中だったのですが、何人もの方々がそれぞれ「お百度紐」を手に、黙々と歩き続けておられました。
老若男女問わず、夜明け前や仕事帰り、また、雨の日も。常に参拝客がとだえることがないことからも、信仰の厚さがうかがえます。

 

お百度石の間をまわる度、一本ずつ折りながら歩きます

 

たくさんの亀たちが出迎えてくれる水神社

 

本殿の脇を抜け、奥に進むとあざやかな朱色の鳥居が目印の「穂積神霊社」、そのお隣りには、しばしば行列ができるという「一願成霊尊」が祀られています。ひとつだけ願いを叶えてくださる・・・とのことで、私もお賽銭を奮発してお参りしてきました。もちろん、お願いはひとつだけですよ(石切さん、何卒よろしくお願いいたします!)

 

神馬のイシキリツルギヤ号の銅像。現在三頭の神馬が、神事などで活躍中

 

一生に一度のお願い事をひとつだけ

 

のんびりと境内を散策した後、本殿へと戻ってくると、お百度石の間には依然として多くの方たちが。速足だったり一歩ずつだったり、思い思いのペースで歩み続けるその姿に、私も自然と襟を正したくなりました。

 

「私たち神職の使命は、熱心にお参りくださる信者さんの心に寄り添い、神様とのご縁を結ぶお手伝いをすること。そんな「中取り持ち」としての務めに日々精進したいと願っています」。
神職の方が、にっこりとお話ししてくださいました。「石切さんは、ようお願いをきいてくれはる」・・・お参りを終えた何人もの方が口にする言葉の、その理由がちょっぴりわかった気がしました。

 

本殿前のくすの木(樹齢約500年)は、東大阪市の天然記念物

 

ペットボトル入りの「ご神水」と、人気の「なでまもり」。中のお札で患部を撫でながら祈ります

 

お天気にも恵まれ、清々しい気持ちで満たされた帰り道。行きとはルートを変えて、石切駅へと続く「石切参道商店街」を歩きました。風情たっぷりに約1km続く商店街は、西の巣鴨といったところでしょうか。名物の「よもぎうどん」も堪能し、どことなくなつかしい街並みからも元気をいっぱいいただいて帰路につきました。

 

食事処におみやげ、乾物屋など。雑然とした雰囲気が楽しい石切参道商店街

 

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アクセス

石切劔箭神社
東大阪市東石切町1丁目1番1号
TEL 072-982-3621
http://www.ishikiri.or.jp/
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