植物としてのチャの樹

 

Q:お茶は何から採れるのですか?
A:チャの樹はツバキ科の常緑樹で、その葉や茎がお茶の原料です。

 

お茶の原料

私たち日本人が普段からよく飲むお茶といえば煎茶や番茶、紅茶、烏龍茶、プーアール茶などが思い浮かびます。これらはチャの樹から取れる葉や茎などを原料にしています。チャはツバキ科ツバキ属の永年常緑樹で、学名はカメリア・シネンシス。日本や中国では1m程度の低木ですが、インド・スリランカでは8~15mにも達する高木の変種があります。この植物である「チャ」の樹から作られるのが食品としての「茶」なのです。

 

チャの樹は経済的に見ると、通常30~50年位栽培が可能で、味や香りのよい茶を作ることができます。植物としての生命はさらに長く、中国には樹齢1000年以上のチャの樹もあります。チャは亜熱帯原産の植物なので寒さに強い方ではありません。暑さに対しても乾燥に弱く、干ばつで枯れることもあります。ただ他の一般的な植物とは異なり酸性の土壌を好む性質があり、耐性が強い点はユニークです。

 

お茶と人の出会い

世界のお茶のふるさとは中国と言われています。約5000年前の中国の神話に登場する本草学(中国古来の薬草学)の始祖・神農帝は、山野を駆け巡りいろいろな野草を試して、食べられる植物を人々に教えていました。時には毒草にあたり苦しむこともありましたが、そんな時に茶の葉を噛んで解毒したと伝えられています。これが世界で初めてのお茶と人の出合いと伝承されています。

 

お茶に含まれるカテキン類は、植物に多いアルカロイドと結合しやすく、毒消しの性質があり、伝承とはいえ解毒にお茶を使ったことは理にかなったものなのです。
このように最初は薬として飲まれていたお茶ですが、特有の良い香りがあり飲むと気分も良くなることから、徐々に庶民にも広まっていきました。そして、穏やかな薬効と味・香りの良さから世界で飲まれるようになり、各地の風土や文化に合った形で普及していったのです。

 

お茶の原産地

チャには低木性で葉が小型の中国種と、高木性で葉が大型のアッサム種があります。両種の形態や生態が大きく異なるためにチャの原産地は2か所に分かれるという説があります。他方、両種の染色体は同数なので大差なく原産地は1つという説もあります。原産地としては中国の四川・貴州・雲南地方とする説、雲南の西双版納(シーサンパンナ)に限定する説などありますが、現在では中国西南地域を中心とする「東亜半月弧(とうあはんげつこ)」と呼ばれる地域を起源とする説が有力です。そこから一方は海路で日本へ、一方はインドや東南アジア各地へ広がったと考えられています。日本ではチャは古くから自生していたとの説もありますが、遣唐使の留学僧らが種や喫茶の文化を持ち帰ったのが最初と言われています。

 

第三には、日本には天麩羅の種にする材料が豊富だったこと。エビ、キス、アナゴ、イカ、白魚、アジのような魚から、サツマイモ、牛蒡、蓮根、カボチャ、椎茸まで。四季を通じていつでも新鮮なタネが周囲にあるから、天麩羅は旬そのものを食べることが出来たのです。

 

 

【参考資料・web】

日本茶のすべてがわかる本〜日本茶検定公式テキスト(日本茶インストラクター協会 企画・編集、日本茶検定委員会 監修/農山漁村文化協会 発売)
日本茶のこと説明できますか?(Discover Japan特別編集/枻(えい)出版社 発行)
ブルータス2009年7月1日号(マガジンハウス 発行)