代々木の杜「明治神宮」は都会の避暑地

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2~3年前に突如注目を集め、「清正井(きよまさのいど)」見たさで一時ものすごい数の人が押し寄せていた明治神宮。携帯電話の待ち受け画面にすると運気が上がると言われて、ピーク時には清正井の拝観整理券まで配られるほどでした。これほどブームになったパワースポットは、過去に類を見ません。

 

明治神宮は清正井のほかに初詣の参拝客の多さでも有名で、三が日の人出は300万人以上!毎年、日本一に輝いています。清正井ブームに乗った人を除くと、初詣以外では明治神宮を訪れたことがないという人も多いのではないでしょうか。
原宿駅から歩いてすぐという好立地に東京ドーム15個分の広さがあり、境内に約17万本もの木々が生い茂る都会のド真ん中の別世界、明治神宮を今回はご紹介します。

 

木造の明神鳥居としては日本一の大きさの「大鳥居」

 

見上げると空と木々だけの清々しい境内

 

「明治神宮御苑」には見どころがいっぱい!

 

明治神宮は明治天皇と昭憲皇太后をお祀りする神社で、以前は代々木御苑と称し、明治天皇、昭憲皇太后がたびたび足を運ばれたゆかりの深い名苑、「明治神宮御苑」も境内にあります。
御苑維持協力金500円を入口で渡して入苑し、小径をちょっと進むと、造り込まれすぎていない緑の光景が一気に都内にいることを忘れさせます。苑内には、昭憲皇太后が時々釣りを楽しまれたお釣台や、休憩のための四阿(あずまや)、明治天皇が昭憲皇太后のために花菖蒲を植えられた菖蒲田(しょうぶだ)などがあります。

 

花菖蒲は5月下旬~7月上旬が見頃で、取材に訪れた梅雨の晴れ間の日は、菖蒲を楽しむ人や写生にいそしむ大勢の人で賑わっていました。

 

花菖蒲が見頃を迎えた「菖蒲田」

 

縁結び、夫婦円満、家内安全の象徴「夫婦楠(めおとくす)」

 

御苑の東口から入り小径を下っていくと、涼しい光景が目に飛び込んできます。8,000㎡(約2,400坪)もある南池で、6~9月は睡蓮が美しく咲き見事な景色です。この南池は、少し離れてはいますが、同じく苑内にある清正井を主な水源としています。
清正井は、都会では珍しい湧水の井戸です。清正という名が付いているだけあって、安土桃山時代から江戸時代初期の武将・加藤清正と関係があるのでしょうか。
加藤清正が掘った井戸だと伝えられてはいますが、江戸時代に清正井のあるこの地は加藤家の下屋敷があったことと、清正が名将であると同時に城造りや治水・干拓の技術にも長けていたことから言われるようになったと考えられます。しかし、実際のところ清正が住んでいたかは定かではなく、井戸を掘ったかどうかも謎に包まれたままです。

 

せっかく入苑したからには、清正井にも寄ってどんなものか見てみましょう。ブームのピーク時には大行列ができて数時間待ちが当たり前だったようです。平日の午後に行くと、10人くらい並んでいるだけでした。清正井に行くまでの途中すれ違った人、すでに並んでいる人たちからは、「今日は全然並んでないね」「すいてるね」という声が聞こえてきました。意外にもリピーターの人がかなりいるようです。

 

5分も並ばないうちに順番が回ってきました。しゃがんで澄んだ水に手を入れると、水に触れた瞬間ひんやりして、気持ちがスーッとします。都の調べでは水温は四季を通じて15度前後で安定していて、毎分60リットルの水量があるそうです。それほど人が多くないとはいえ行列ができているので、清正井に長居はできず、滞在時間はわずか10秒足らず。それでも冷たい水に触れたことでスッキリしました。

 

混雑はしなくなったものの、「清正井」のそばには警備員さんが立っています

 

こちらが噂の「清正井」です

 

都内にある神社・仏閣は、境内にいても高層ビルやマンションが視界に入ることがほとんどです。当たり前のことかもしれませんし、そのギャップが東京ならではといえば興味深くもあります。しかし、明治神宮は広大な敷地と豊かな木々のおかげで、周囲を見渡しても、上を向いても、見えるのは空と緑だけ!という環境を堪能できます。長~い参道の玉砂利も一歩ずつ踏みしめて歩けば、進むごとに心が浄化されていくように思えます。
この夏は、代々木の杜へリフレッシュ&エネルギーチャージしに行きませんか。

 

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アクセス

東京都渋谷区代々木神園町1-1
TEL 03-3379-5511
地下鉄千代田線・副都心線「明治神宮前駅」、JR山手線「原宿駅」より徒歩2分
詳しくは下記オフィシャルサイトをご覧ください。
http://www.meijijingu.or.jp/
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