天満宮は、学問の神様とあがめられる菅原道真を祭神とする神社です。全国に約1万4,000社あり、「天神様」「天神さん」などと多くの人に親しまれています。名古屋で「三天神」と呼ばれているのが上野神社（千種区）、桜天満宮（中区）、そして山田天満宮。三社を参拝し（参拝する順序は自由）、絵馬にそれぞれの御朱印を受けると、三社めの神社で合格祈願の天神像のお守りがいただける「名古屋三大天神まいり」という参拝の仕方もあります。
山田天満宮は寛文12年（1672）、尾張徳川家二代藩主の徳川光友が、菅原道真の御神霊を太宰府天満宮から勧請したのがはじまりです。教育学問および道真の出世にあやかる祖神（先祖の神様）として迎えたもので、教育学問の上達、開運出世、厄除けなどのご利益があるとされています。また、神社が尾張藩の鬼門の方位に位置することから、地相や家相、方位などあらゆる災禍を取り除く「八方守護神」としても祈願されてきました。
正面鳥居。境内には梅の木がたくさんあり、毎年2月25日には梅花祭が行われている
本殿拝殿前にある一対の撫で牛。この牛を撫でながら、学問上達や合格を祈願する
八方守護神への祈願は「方向祈願牛《ほうこうきがんうし》」（像）に向かって行います。牛の顔を祈願する方向に向け、願いを込めた鈴を牛に乗った道真の首にかけてお参り。合格・成績向上・就職成就の願いが叶うと言われています。
方向祈願牛。菅原道真の像にはたくさんの鈴がかけられており、顔が見えないほど
毎年1月25日に行われる「うそ替え神事」にも、多くの参拝者が訪れます。「鷽《うそ》」という鳥は「ウソ」を「まこと」に変えると言われており、1年間にあった不幸を幸運に変える力があるそうです。この神事では、1体1,000円の木彫りの鷽が入った袋を、参加者（購入者）が「変えましょう」と大きな声で言いながら左隣の人に手渡していきます。十数回繰り返したのちに袋を開け、「福」「幸」と書かれた鷽を引き当てた人が、特大の木彫りや純金製の鷽と交換できます。また、当日参拝者にふるまわれる、山田天満宮の梅の実でつくった御神梅酒をいただくと、1年災いなく幸せに過ごせるということです。
釈迦如来像復古木。境内にあったクスノキの切り株から発見された仏像が祀られている
人形供養神として祀られている童女神。毎年5月と12月には人形供養が行われている
山田天満宮とともに広く知られているのが、同じ境内にある金《こがね》神社です。延享3年（1746）に庶民の福徳円満、商売繁盛、金運招福、街道往来の御神徳と御加護を願って奉祀されました。
金神社では、ぜひ「銭洗い（黄金洗い）」をしてみてください。まず、銭洗所に置かれている柄杓で御神水を汲み、えびす様とだいこく様に3度ずつかけます。そして、そこから流れ出た御神水を、ザルにのせた自分の金銭や財宝、くじなどにかけて洗い清め、自宅に持ち帰るのです。財布などに入れておくのもいいですね。そうすると、金運招福、商売繁盛、開運くじなど福徳利益の御神徳を授かると言われています。
全国から参拝者が訪れる金神社。祭神は、恵比寿神、大国主命、金山彦神、岐神
銭洗い所。お礼が書かれた当選くじの写しや柄杓などが、たくさん奉納されている
銭洗所の中には、財布納め所もあります。不要になった財布を納めるところです。神社でお祓いをしてもらえるので、金運を招くためにも、感謝の気持ちを込めて納めましょう。ちなみに、新しく購入した財布の祈祷も行っています（祈祷料5,000円）。
銭洗い所の正面、向かって左手にある財布納め所。古い財布は、ザルの中に入れる
境内には、ほかにも御嶽神社があります。ここは、悪い縁を断ち切り、良い縁を結ぶ神社。もちろん、縁は恋愛に限らず、人生すべてにおけるつながりや出来事を表します。足下に描かれた「九星」の中から、自身の定まった本命星（一白、二黒、三碧などのうち1つ）を探し、その上に立って願いが叶うようにお参りしましょう。運気が上がり、開運へと導かれます（本命星は、下記オフィシャルサイト「御嶽神社参拝のご案内」のページで分かります）。また、同神社神域にある「よりそい石」は、皆が良い縁に導かれるよう見守っているとのこと。良い縁を願いながら、やさしく撫でましょう。
御嶽神社
よりそい石。縁結びの願いが叶うよう、やさしく撫でてお参りしましょう
金神社は住宅街にある小ぢんまりした神社ですが、御神徳を授かった人も多いということで、参拝客が絶え間なく訪れています。取材の日も、大きな牛の像を撫でながら祈る女子高校生、硬貨を洗う中年男性、あちこちを見て回る老夫婦といった人たちの姿が見られました。天気も良く暖かな日。境内にたくさんある梅のつぼみもほころんでいました。これからの季節にぴったりのスポットですね。
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アクセス
名古屋市北区山田町3-25
TEL 052-981-5695
電車：JR中央線・地下鉄名城線・名鉄瀬戸線・ゆとりーとライン「大曽根」駅下車、徒歩7分
詳しくは、下記オフィシャルサイトをご覧ください。
http://www.tenman.jp
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