さまざまな大きさ、デザインのものをいくつも持っていても、新しいものを見るとついつい欲しくなってしまう…。カバンに対し、そんな気持ちを抱いている女性はとても多いのではないでしょうか。道具でありながら女性を魅了してやまないカバンですが、カバンに特化した博物館が浅草にあると聞き、「世界のカバン博物館」に行ってまいりました。
大昔は荷物を入れて運ぶ“器”“容器”にすぎなかったカバンですが、時代とともに変化し、道具としてはもちろんのこと、いつの頃からか持ち主の個性を表現するアイテムとして欠かせないものとなりました。
エレベーターで7階の展示フロアまで行き扉が開くと、まずカバンの歴史コーナーの展示が始まります。時代の中でカバンがどのような役割を果たしてきたか、起源や発展史を紹介しています。
浅草、東京スカイツリー観光に行った際には訪れたい「世界のカバン博物館」
カバンの歴史が一目瞭然のパネル展示
続いてカバンのひみつコーナーでは、カバンづくりの技術の紹介や知っておくとよいカバン選びのコツなど、カバンに関する情報が満載です。
カバンを選ぶとき、まずデザインに目が行きますよね。持っていると楽しい気持ちになれるデザインも良いのですが、機能やつくりにもしっかり目を向けることが大切です。何を入れてどう使うか目的を考えて、モノの出し入れがしやすい口開きか、ポケット、仕切りは適切な位置、数であるか、持ち手やショルダーの幅や調節機能は適切か、といったカバンを選ぶときのポイントや長持ちさせる方法、さらにカビが生えてしまったら…といったカバンに関する豆知識の数々が展示されています。身近な存在で、なくてはならないカバンについて、この機会にしっかり学んでおきましょう。
知っておくと得をするカバンの豆知識が、ミニカバンの裏側に書かれています
世界50カ国以上から収集された、世界のカバンコレクションコーナー
世界5大陸、50カ国以上から収集された世界のカバンコレクションコーナーでは、世界各国のカバン文化を知ることができます。デザインはシンプルで機能を重視している国、民族的なデザインのものが多い国など、カバンからその国の民族文化を垣間見ることができます。コレクションの中から、珍しいカバンをいくつかご紹介します。
ワニ革のキャビントランク
シマウマのボストンバッグ
高さ41cm×幅90cm×奥行き55cmもあり、黒光りして目を引く巨大なトランクは、フランス製、ワニ革のキャビントランクです。12匹ものクロコダイルを使用している、最高級の船旅用トランクで、世界中の王侯貴族やセレブを顧客としたモラビト社が1978年につくった、世界に3個しか現存しないといわれている希少なものです。
皮革製品の中でも珍しいのが、シマウマのボストンバッグです。正真正銘のゼブラ柄、アフリカのサバンナに生息するシマウマの革を用いたボストンバッグは、スペインのロエベ社が1968年に手掛けた製品で、模様が一点一点異なるため世界に1つだけの逸品です。
長期間の船旅に使われたワードローブトランク
戦時統制によって生まれた素材、ウナギ革のクラッチバッグ
長期間の船旅に使われた洋服タンスの機能を備えたトランクは、ワードローブトランクです。衣類ハンガーの位置を固定し洋服を傷つけないように工夫されたクッション、正装用のシルクハットの収納スペースなど、当時もっとも品質と機能性に優れたワードローブトランクと評価されたもので、1910年代にアメリカで製造されました。
上記のワニ、シマウマをはじめ、牛、鹿、象など、諸外国ではさまざまな皮革製品がつくられてきました。日本に目を転じてみると、1940年代、皮革素材に大きな変化が生じました。戦時下だった日本では、皮革使用制限規則により、全面的に牛革カバンの製造が禁止されたためです。その代替品として、アザラシやヘビ、イノシシなどの皮が使われたほか、鮭の皮やウナギの皮など意外なものが登場し、素材が飛躍的に広がりました。
そして、戦後になり、1968年日本のカバン史上異例の大ヒットを果たしたカバンが登場しました。マジソン・スクエア・ガーデンバッグ、通称マジソンバッグです。アイビールック全盛の1960年代のアメリカ文化へのあこがれを象徴するかのように、はじめて横文字が入ったスポーツバッグです。マジソンバッグは、類似品も含め10年間で約2000万個も売れた、エース株式会社の製品です。
1960年代、一世を風靡したマジソンバッグ
東京スカイツリーも望める8階のビューラウンジ
7階でカバンを満喫したら、8階へも行ってみましょう。東京スカイツリーを眺められるビューラウンジがあり、ゆったりくつろぐことができます。
8月中は子どもから大人まで楽しめる『ゆるっとツアー2013』を開催しています。台東区のメーカーとのコラボレーション・イベントで、過去に販売されていたカバンやおもちゃ、ドリンクのパッケージや商品を展示しています。昔懐かしい商品の数々も合わせて見られるこの機会に、世界のカバン博物館へぜひ出かけてみてはいかがでしょうか。
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インフォメーション
世界のカバン博物館は、カバンメーカー、エース㈱の創業者・新川柳作氏が開設した、カバンに特化した博物館です。1975年に開館し、世界各国のカバン約550点を所蔵しています。
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●アクセス
東京都台東区駒形1-8-10(エース東京店内)
TEL 03-3847-5680
都営地下鉄浅草線「浅草駅」A1出口より徒歩1分
詳しくは下記オフィシャルサイトをご覧ください。
http://www.ace.jp/museum/
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