小さいけど結構見ごたえあります!日本文具資料館

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定期的に展示内容を替え、大々的にPRをしていて、常に来場者が絶えない美術館、博物館はもちろん見応えがありますが、たまには狭いスペースながら地道な展開をしている場所も覗いてみたくなりませんか?
展示内容うんぬん以前に、土日祝日はお休みで開館しているのは平日の13~16時のみという、訪れる人が限定されてしまっている「日本文具資料館」を今回はご紹介します。

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受付で促されるままに住所と名前を記帳していると、その間に受付の方がバタバタと立って行かれました。どうやら展示室の電気をつけてくれているようです。
平日午後のみの開館とはいえ、来場者が頻繁にあるわけではないことがよくわかります。

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東京文具販売健保会館の1階に「日本文具資料館」は入っています

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貸切状態の資料室に入ると、まずは『漢委奴国王の金印(レプリカ)』が目に入ります。遠~い昔に歴史の授業で習った、国宝のアレです。本物は福岡市博物館にありますが、これはレプリカとはいえ、純度99.99%、重さ108gもあります。今から約2000年も前の西暦57年、現在の福岡県にあった奴国(なのくに)に後漢の光武帝から贈られた金印を、なぜここで展示しているのか一瞬不思議な気がしましたが、金印も文具と言われれば確かに文具。出だしから、文具と文具資料館に対して持っていた単純な印象を覆されました。

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館内には、筆、硯、万年筆、鉛筆などのほか、計算機やそろばん、ペーパーナイフなど、確かにこれも大きくは文具の範ちゅうですね…というものが、世界中から収集、展示されています。

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その中でも、どちらもレプリカですが、伊達正宗と徳川家康の鉛筆が展示されています。現在、久能山東照宮に保存されている徳川家康の鉛筆は南蛮渡来のもので、世界でもこれだけ古い鉛筆が残っているのは珍しく、歴史的価値の高いものです。しかし、伊達正宗の鉛筆はそれ以上の価値があるのです。

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鉛筆の歴史は古く、1564年にイギリスで黒鉛が発見され、翌年にはもう鉛筆のようなものが作られました。その後、工場で量産されるようになった鉛筆が日本に初めて入って来たのは1877年のことです。伊達正宗の鉛筆は、お墓から発見されましたが、それも偶然の産物でした。昭和26年の空襲で焼失したお墓を再建することになり、昭和49年に発掘調査をしたところ、石室の片隅から竹筒が出てきました。当初は単なる棒かと思われていましたが、よくよく調べてみると、どうやら鉛筆だということがわかったのです。

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あまり広くないので、人によっては10分で見終わってしまうかもしれません…

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真ん中が伊達正宗の鉛筆。国産初?!の鉛筆誕生の秘密が明かされる日がくるでしょうか

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金印のつまみ部分が蛇! そんなことまで授業で習いましたっけ?!

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ショートヘアからロングまで髪の長さを選ばない、軽く止めやすいかんざし。七宝作家の大塚ひろみさんによるものでアートと機能の両立をリーズナブルな価格で実現しました。

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真ん中が伊達正宗の鉛筆。国産初?!の鉛筆誕生の秘密が明かされる日がくるでしょうか

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伊達正宗が亡くなったのは1636年。鉛筆が日本に初めて入って来たとされているのは1877年。1616年に亡くなった徳川家康の鉛筆は南蛮渡来のものだとわかっているようですが、伊達正宗の鉛筆は調査の結果、材料等から考えても、どうやら国産第一号の鉛筆のようなのです。

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これまで鉛筆のルーツなんて考えたこともありませんでしたが、名前もよく知られている歴史的人物が関わっていて、そのうえ鉛筆に関する歴史的資料は少なく、謎の部分が多いとなると余計に興味をそそられます。

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次にご覧いただきたいのが、『矢立(やたて)』です。鉛筆よりも時代をさかのぼり、墨と筆を日常的に使っていた頃の道具、矢立をご存知ですか?筆と、墨汁を染み込ませた毛や綿を入れた墨壺が付いた携帯筆記具です。鎌倉時代にできたもので主に武士が使っていましたが、江戸時代には一般庶民にも広まりました。
鉄や銅製だったのが象牙、鹿角、竹、陶のものも作られ、彫刻などの装飾も施されるようになり、実用品から工芸品として全盛期を迎えました。矢立は中国をはじめ諸外国でも例がなく日本独自のもの。使い勝手は別として、現代でも通じる粋なデザインの筆記具に、日本人の創造性と美意識の高さが感じられます。

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アメリカ、スイス、西ドイツなど、電子計算機の数に驚きます

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万年筆好きの人にはたまらない逸品!があるのかどうかはわかりませんが…、世界各国の年代物の万年筆が展示されています

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筆と墨壺が分かれている分離型の矢立。一体型もあります

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大きさが1mを越え、重さ10kg以上の超大筆は迫力満点です

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資料館を訪れる前に電話して聞いたところ、「早い方なら10分もあれば見終わりますよ」というお話でした。たった10分で出てきてしまうような資料館って、どうなの…と思いながら出掛けましたが、じっくり見て回ると意外に掘り出し物?!があり、食いついて見てしまうものも幾つかあります。
入場無料の日本文具資料館。平日の午後にフラッと出掛けてみてください。思いがけずあなたの感性を刺激するものに出合えるかもしれませんよ。

 

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インフォメーション

日本文具資料館では、筆、鉛筆、万年筆などの筆記具類や計算機等、貴重・珍重な古今東西の文具を展示しています。

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●アクセス

東京都台東区柳橋1-1-15
JR総武線、地下鉄浅草線・浅草橋駅より徒歩5分
TEL 03-3861-4905
詳しくは下記オフィシャルサイトをご覧ください。

http://www.nihon-bungu-shiryoukan.com/

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