ぼろ布のアート性に注目した、今話題の美術展。民俗学者の田中忠三郎氏がコレクションしてきた青森の山村、農村、漁村で使われていた“ぼろ”と呼ばれる衣服や布類が常設で多数展示してあります。驚きなのが、直接展示物に触ってもよいという展示手法です!
その中でも印象的なのはこちらの「ドンジャ」。
これは、昔はストーブやエアコンなどの暖房機器が無かったため、少しでも暖かく丈夫にしたいという考えから、つぎはぎを重ねて作ったお布団のようなものです。ちなみに15kgもあるそうで、持ってみるとずっしりと重く、生き抜くための努力が手に伝わってきます!
夜はこの大きなドンジャに家族全員でくるまって、一緒に寝たそうです。
そのため、どんなに喧嘩をしていても、寝る時になれば自然と仲直りできるという、心温まるエピソードもあるほどです。
その他には、黒澤明監督の映画「夢」の衣裳や古民具なども展示してあります。
見所は「女の子のオシャレ」
なかでも見所は、昔の「ふつうの女の子」が身に着けていた「ファッション」とも言える衣服。
今あらためて見れば、そのままイマドキの「オシャレ」と言えるほど完璧なデザインです!
辰巳清さん(アミューズミュージアム館長)が教えてくれた見所、鑑賞ポイントなど
殿様やお姫様のものはたくさん残されていますが、昔の「普通の女の子」の衣類はあまり見る機会がありません。高名なファッションデザイナーの作品でも、江戸や京都の職人ではない一般女性の手仕事。この明治時代~大正時代のリアルクローズのファッションレベルの高さに驚かされます。ハンドメイドの自家製品は素人仕事ですが、反面に売り物にない手間と愛情が注がれています。豊かではない暮らしの中、手に入るものを最大限工夫して「もっとかわいく!女らしく」と願った気持ちが、これら美しい手仕事の着物に残されています。ぜひ着物に込められた技術と想いをご覧ください。
[su_note note_color=”#f6f6f6″]
インフォメーション
「アミューズミュージアム(東京都台東区浅草)」は、世界に誇る日本の「和」の文化を若い世代の人達にも楽しめるように、新たな切り口で紹介しています。世界中からたくさんの観光客が集まる浅草、有名な浅草寺のすぐお隣で布文化と浮世絵を中心に日本人だからこそ生み出せた「美」を、日本人のみならず世界の人々に向けて語りかけています。
● 開館時間 10:00~18:00
● 休館日 月曜日(月曜祝日の場合は翌日休館)
● お問い合わせ 03-5806-1181
● HP http://www.amusemuseum.com
[/su_note]