今回ご紹介するパワースポットは、「巣鴨」です。言わずと知れた、おばあちゃんの原宿です。
「とげぬき地蔵尊」の名前で親しまれているお寺・高岩寺が巣鴨ではいちばんの観光スポットですが、巣鴨にはほかにも魅力があります。年齢に関係なく、楽しめてパワーをもらえる街なのです。
旧中山道の巣鴨地蔵通り商店街
巣鴨駅に着いたら、巣鴨地蔵通り商店街を目指しましょう。小さな飲食店や雑貨店が立ち並ぶ全長約800mの商店街で、この途中にとげぬき地蔵尊もあります。
慶長元(1596)年に湯島に創建されたとげぬき地蔵尊は、明治24(1891)年に巣鴨に移転してきました。秘仏のため拝観することはできませんが、ご本尊「とげぬき地蔵」は延命地蔵尊です。
参拝客でいつも賑わっているとげぬき地蔵尊ですが、境内の一角に絶えず行列ができているところがあります。行列の先には、自分の身体の悪い部分を洗うと治ると言われている「洗い観音」があるのです。
「とげぬき地蔵尊」こと高岩寺
境内はいつも大賑わいです
人混みで見えませんが…大人気の「洗い観音」
洗い観音の起源は、江戸時代に起きた大火事・明暦の大火(1657年)まで遡ります。大火で妻を亡くした檀徒の男性が、供養のため聖観世音菩薩をお寺に寄進。それがいつしか、観音菩薩像に水をかけ自分の悪いところを洗うと治るという信仰がうまれました。ところが、長年タワシでゴシゴシと洗われていたため観音菩薩像はしだいにすり減ってしまい、現在の観音菩薩像は平成4(1992)年に新たに寄進されたものです。
タワシに代わって布で洗われるようになり、タオルを手にしたおばあちゃんたちが大行列している隙間からチラリと観音菩薩像を見ただけですが、膝を洗う方が多いのか、磨かれてピッカピカになっていました。
とげぬき地蔵尊の参拝を終えたら、あとは街歩きを楽しみましょう。巣鴨に行くなら4日・14日・24日がおすすめ。毎月4の付く日は縁日が開かれ、地蔵通り商店街は露店でさらに賑やかになるからです。
お祭りでよく見かける焼きそばやお好み焼きなどもありますが、おばあちゃんが集まる土地柄なのか、お漬物、干物、果物、婦人下着、手ぬぐい、ウィッグなどなど、普段あまり見かけない露店が並んでいます。商店街のお店も客層を意識した商品を店頭に出していて、入れ歯洗浄剤やお線香、ヘアカラー剤などを前面に押し出しているドラッグストアは、巣鴨くらいなものでしょう。
帽子に斜め掛けバッグが巣鴨歩きの定番スタイル
巣鴨に来たら、ほとんどの人が立ち寄るお店があります。赤パンツを売っているお店です。赤い下着を身に付けると元気になる、運気が上がると言われていて、自分用に、お土産にと買い求めていく人が多いのです。そこだけ特に混雑していて、知らない人は何事かとビックリするほどの盛況ぶりです。
ほかに婦人服や靴を扱っているお店も多くあり、サイズも豊富に取り揃えられています。遠方からバスツアーで来たり、お友達と誘い合って電車で来ているおばあちゃんたちは、皆さんリュックを背負っていたりバッグを斜め掛けにしていて、両手はフリーな状態でお買い物や食べ歩きをしています。その姿はとっても楽しそうで、気温30度の暑さにも負けずイキイキしていました。
周囲の勢いにつられて、欲しくなってしまう赤パンツ!
靴屋さんの軒先には、歩きやすい足にやさしい靴が並んでいます
商品を見ていると「熱中症対策にどーぞ」と店員さんが塩アメを手渡してくれるお店があったり、参拝中、小雨が降りだした瞬間、「あらあら雨が降ってきたわねー」と話しかけられたり、他にも近くにいる人から話しかけられり、巣鴨では知らない人と接する機会が多いこと!地蔵通り商店街をちょっと歩くと、そんな懐かしい日本に出会えます。とまで言っては大げさかもしれませんが…。
ぶらぶら地蔵通り商店街を見て歩いたら、最後は巣鴨庚申堂をお参りしましょう。日本神話に登場する猿田彦大神(さるたひこおおかみ)が祀られています。天孫降臨の際に道案内をしたということから、道の神、旅人の神とされています。猿の像がなんともユーモラスな表情をしていてイイ!んです。ここがちょうど地蔵通り商店街の終着地なので、お参りして元気をもらったら、来た道を引き返しましょう。行き道では見逃したお店に出会えるかもしれませんよ。
地蔵通り商店街の終着地、猿田彦大神が祀られている巣鴨庚申堂
この愛嬌のあるお顔を見たら、疲れも吹き飛びます
街頭インタビューといえば、新橋のサラリーマン、銀座のご婦人、そして巣鴨のおばあちゃんが定番です。取材に行った日も、とげぬき地蔵尊近くでマイクに向かって何か話しているおばあちゃんを見かけました。
新橋で飲んだり、銀座や巣鴨で買い物をしたり、そこに行くことで気分が高揚して楽しくなる街を、誰しも持っているのかもしれません。街全体が、その人にとってはパワースポットなのかも。
巣鴨は誰もが知っている街なのに、自分には縁がないと思ってまだ訪れたことがない人も多いのではないでしょうか。行ってみると、おばあちゃんたちのパワーを目の当たりにすることで、見ているこちらも元気になれる、不思議な街です。ぜひ、縁日の日に出掛けてみてくださいね。
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アクセス
巣鴨地蔵通り商店街
JR山手線、地下鉄三田線「巣鴨駅」より徒歩5分
詳しくは下記オフィシャルサイトをご覧ください。
http://sugamo.or.jp/
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