大人も子どもも楽しめる縄文スポット「東京都埋蔵文化財センター」

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スーパーやコンビニへ行けば調理されたものが簡単に手に入り、ファミレスやファストフード店へ行けば、短時間で食事を済ませることができるようになった現代。たまには手を抜いて、上手にそれらを活用するのもよいのですが、旬の食材を五感で味わい、食を通して健康でキレイになること、「キレイの素は食べること!」をチズ先生は常々皆さんに伝えています。四季があり、海の幸、山の幸にも恵まれている日本は、食材の宝庫。はるか昔の私たちの祖先も、きっと豊かな食生活を送っていたはず?!ということで、3月10日まで企画展示『縄文人の食事』を開催している東京都埋蔵文化財センターに行ってまいりました。

 

駅からも近くアクセス便利な「東京都埋蔵文化財センター」

 

ガラスケースに入っていない展示物のほとんどは、実際に触ることができます

 

縄文時代は、約1万3000年前にはじまり約2千500年前に終わるまで、約1万年も続いた時代です。今からは想像もできないほどの大昔。縄文人はどうやって食べ物を手に入れ、どうやって調理して、何を食べていたのでしょうか。子どもの頃、テレビアニメ『はじめ人間ギャートルズ』で見たようなマンモスのお肉ではありませんよ。自然界から動物のお肉や魚介類、山菜や木の実を採っていた縄文人の食事は、もっと充実したものでした。
・シカ肉の縄文風石板焼
・シカ肉とイノシシ肉と木の実の縄文ハンバーグ
・魚介と山菜の縄文鍋
・山魚の燻製
・縄文果実酒
・木の実の縄文クッキー
一例として展示していた上記のメニューは、実際に遺跡から発掘されたものを参考に再現したものです。どれも美味しそうですよね。縄文人の食生活が、こんなにも豊かだったことに驚くばかり。しかも、高カロリーで栄養満点です。調理方法も、焼いたり、煮たりと、現在の私たちの生活となんら変わりありません。縄文土器を発明したことで、人々は手に入れた食べ物を単に焼くだけでなく、煮て食べることも生み出しました。素材を単純にそのまま食べるのではなく、木の実をすり潰して粉にしてクッキーやハンバーグにするなどのひと工夫もされていました。先人たちは自然の恩恵を受けて得た食べ物を、工夫してより美味しく、楽しく食べていたのです。

 

驚くほど充実していた縄文時代の食事

 

“火おこし”体験もできます

 

あらゆる面で便利になった現代。楽に食事をしようとすれば、いくらでも簡単に済ますことができます。そうした食事をするときでも、“いただきます”“ごちそうさまでした”という言葉だけは忘れずにいたいもの。縄文時代にも何かこれに通ずる言葉を言っていたかどうかはわかりませんが、先人たちは、身に染みて命をいただくありがたさを感じていたはずです。縄文時代の道具や食べ物を見ながら、改めて食べるという行為について考えさせられます。

 

縄文土器のクレーンキャッチャー(注:動きません)

 

縄文時代でも、人は耳飾りなどの装飾品を身につけていたことに驚きます

 

さて、この埋文センターでは“火おこし”をはじめさまざまな体験ができるのですが、いちばんスゴイ体験は、館内の展示ケースに入っているもの以外、ほとんどの展示物に触れることです。教科書でしか見たことのない縄文土器にだって、触れることができるのです。見て、触って、体験してもらいたい、という埋文センターの考えのもと実施されています。
展示手法もユニークで、縄文時代のものと現代のものを並べて展示。例えば、木の実を粉にするための石皿(いしざら)と磨石(すりいし)の横には、すり鉢とすりこぎ、フードミルが置かれていたりします。縄文時代の道具だけを見るよりも、はるかに分かりやすいですよね。
このほか、縄文土器の破片が詰まっているクレーンキャッチャーもあります。学芸員さんによると、縄文時代の生活を知る上で、たくさんの情報が詰まっている破片、その情報を正確にキャッチすることが“考古学”なのだそうです。なんともロマンあふれる解説です。

 

出土した陶磁器から、江戸時代のやきものの変遷を展示

 

遺跡庭園「縄文の村」の復元住居。付近には、縄文時代に生えていた50種類以上の樹木も植えられています

 

名前を聞いただけでは、どんな所なのかピンとこない「東京都埋蔵文化財センター」ですが、今回ご紹介しました企画展示以外にも魅力がたくさんあります。多摩の自然散策に、俳句を詠みに、体験イベントに参加するため、考古学に興味があってなどなど、遊びや勉強に、来場者はさまざまな目的で訪れています。大人も子どもも楽しめる、懐が深い埋文センターへぜひ一度行かれてみてはいかがでしょうか。3月16日からは、企画展示『縄文人のおしゃれ』がはじまります。

 

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インフォメーション

都内の埋蔵文化財の調査・研究を行っている東京都埋蔵文化財センターは、土器や石器類の出土遺物を収蔵するとともに展示公開しています。都民に文化財をより理解してもらうために、年間を通して講演会や各種体験イベント、学校を訪れて実施する出前授業なども実施しています。

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●アクセス

東京都多摩市落合1-14-2
TEL 042-373-5296
京王相模原線「京王多摩センター駅」・小田急多摩線「小田急多摩センター駅」より徒歩5分
詳しくは下記オフィシャルサイトをご覧ください。

http://www.tef.or.jp/maibun/index.jsp

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