古賀メロディー、大衆音楽を堪能できる「古賀政男音楽博物館」

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『柔』『無法松の一生』『悲しい酒』など、“古賀メロディー”と呼ばれる数々の名曲を生み出した音楽家・古賀政男。彼の名を冠した、古賀政男音楽博物館を今回はご紹介します。

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明治37(1904)年に福岡県で生まれた古賀政男は、明治大学在学中にマンドリン倶楽部の創設に参加。在学中に作曲家を目指すようになり、マンドリン倶楽部の演奏会で『影を慕いて』を発表しました。卒業後はレコード会社専属の作曲家として活躍。数々のヒット曲を生み出し、それらは“古賀メロディー”と呼ばれ、今なお人々に愛されています。
また、作曲のかたわら音楽親善大使としても尽力し、世界各地をまわり、戦後は広島平和音楽祭を開催し音楽で平和を訴えました。日本作曲家協会初代会長として、日本レコード大賞を制定。昭和53(1978)年、73歳で永眠するまで、生涯にわたり日本の音楽界の発展に大きく貢献。没後、国民栄誉賞を受賞しています。

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古賀政男音楽博物館のある代々木上原(東京都渋谷区)は、古賀政男が明治大学卒業後に移り住み、昭和13(1938)年に居を構えた場所です。当時は3000坪(!)の敷地を有していたそうです。博物館では古賀政男邸の一部を移築、展示しています。
3000坪の敷地ですから、門から玄関までの距離も相当なものでした。展示室の廊下の絨毯は当時の石畳を思わせるものになっていて、そこを抜けると古賀邸に到着するという楽しい展示手法になっています。

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代々木上原の駅にほど近い、古賀政男音楽博物館

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古賀邸の門をくぐり、玄関までの石畳を再現している博物館内の廊下

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移築された作曲活動の場だった書斎は、ピアノや書斎机など室内のものは当時のまま。ピアノで、時にはギターを持ち込んで作曲し、ここから古賀メロディーは生まれました。古賀世代の人にとっては、聖地ともいえる場所でしょう。
創作活動をしていた場所のほかに、日常くつろいでいた日本間も再現されていて、偉大な作曲家のON/OFF両面をうかがい知ることができます。
移築された部分や、当時のまま再現された居室を見ていると、古賀政男は音楽の才能だけでなく、独特なセンスも持ち合わせた人だったことがわかります。特に、欄間にはこだわりがあったようで、日本間には好きな竹を、応接室には刀の鍔(つば)を欄間にしていました。見事な発想力の粋な欄間です。

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古賀邸から移築された階段。これを見ただけでも、どんなに立派な邸宅だったか想像できます

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応接室の欄間として使われていた刀の鍔

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博物館では、「古賀政男の世界」(3階)を堪能できるだけでなく、日本の大衆音楽文化を育てた偉人も紹介しています。「大衆音楽の殿堂」(2階)は、作詩家、作曲家、歌手、編曲家、演奏家を顕彰し、業績を称え、偲ぶ殿堂で、日本の大衆音楽の歴史を振り返ることができます。
地下1階には音楽情報室もあり、「大衆音楽の殿堂」検索システムでは、顕彰者の作品約8000曲を誰でも簡単に聞くことができます。また、古賀メロディーが主題歌に使われた映画や、音楽書籍の閲覧もできます。懐かしくなって、あれもこれもと曲を聞いたり本を読んでいると、ついつい長い時間滞在してしまいそうです。

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作曲活動が行われた書斎

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「古賀政男の世界」(3階)では、1000曲以上の古賀メロディーを視聴できます

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古賀政男音楽博物館のユニークなところは、カラオケルームがあるところです。古賀メロディーはもちろんのこと、通信カラオケでさまざまな歌を歌い、しかもCDに録音することもできます。音楽博物館の中にあるカラオケルームなら、街中のカラオケボックスよりも断然気分が盛り上がりそうです。お仲間と、カラオケだけを目当てに入館される人がいるというのも頷けます。

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来場者はやはり60代以上の人が圧倒的に多いそうですが、ご両親を連れて来ている若い世代の人も見かけます。楽しそうに昔の思い出話をしているご両親を見つめるお子さんは、とても嬉しそうで、いい親孝行になっているようでした。
美肌茶房読者の皆さんの中には、古賀政男と聞くと懐かしくてたまらないという方や、名前を聞いただけではちょっとわからない方など、世代によっていろいろいらっしゃると思います。古賀政男を知っている方は古賀メロディーに浸りに、知らない方でも少し聞けばきっとわかる曲がいくつもあるので、ぜひ、古賀政男音楽博物館へ懐かしいメロディーに触れに行ってみたらいかがでしょうか。

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(左)1枚の賞状の中に、古賀政男の名前が2つ。ほかでは見られない珍しい賞状です

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(左)音楽の森をイメージしている「大衆音楽の殿堂」(2階)は、木漏れ日がさしています

 

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インフォメーション

古賀政男音楽博物館は、代々木上原に居を構え、音楽創造に邁進する同志を集めて音楽村をつくろうとしていた古賀政男の遺志を引き継ぎ誕生した大衆音楽の博物館です。古賀政男の展示のほか、日本の歌謡史に関する資料も多数展示しています。

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●アクセス

東京都渋谷区上原3-6-12
TEL 03-3460-9051
小田急線・地下鉄千代田線「代々木上原駅」より徒歩3分
詳しくは下記オフィシャルサイトをご覧ください。

http://www.koga.or.jp/

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