毎年この季節になると、風にのってどこからかバラの香りが漂ってきます。初夏の訪れを告げる甘く芳しいバラ。その香りに癒されたくて、大阪・中之島公園バラ園に足を運びました。堂島川と土佐堀川の中州、中之島公園の中央に東西約500m、面積約13,000平方メートルの花壇があり、シーズンには約310品種、3,700株ものバラが咲きます。
入り口に咲く可憐なバラ
大勢の人でにぎわう
大阪市中央公会堂のそば、「中之島バラ園」と書かれた標識のまわりにはピンクのバラ、ピエール ドゥ ロンサール。散策のスタートは「バラの小径」から。東へ進み、難波橋の下をくぐるとパッチワークのように広がる色とりどりのバラに出合えます。
中央花壇の通路には1910年、1920年…と作出年代を記したプレートが埋め込まれています。バラにはそれぞれの名前が表示されているので、小学生の頃の植物観察気分が楽しめます。それにしても、ダイアナ プリンセス オブ ウェールズ、マリア カラス、というネーミングは、その人の人生をあらわすかのような美しさです。ローズオオサカは真っ赤な大きな花、大胆でおおらかな大阪人のイメージでしょうか。イングリッシュローズ マサコはきっと皇太子妃、雅子さまのお名前からですね。
艶やかなイングリッド バーグマン
ローズオオサカの美しい赤色
バラ園の楽しみ方は品種を知ることだけではありません。つる性のバラはアーチ、スタンド、ポールを使って、立体的な演出がなされて見る人を飽きさせません。
また、バラの成分は肌と心に良いとされ、古くから薬用として用いられていました。16世紀の書物に「乾いたバラを鼻にあてて香りを嗅ぐと、脳と心が安らぎ、精神の渇きが満たされる」と書かれているように、芳香に含まれる成分が気持ちを癒してくれます。ビタミン類が多く含まれていることから美容にいいと、ローズティーを好んで飲む女性は多いですね。以前、たくさんのバラを育てている人から、自家製ジャムのおすそわけをいただいたことがありました。心がこもった手作りのバラジャムは、香りも甘味もとても優しくて、ひと口ごとに幸せな気分がプラスされていきました。
アロマテラピーの流行もあって、植物のエッセンスを抽出した精油が市販されています。バラの精油をバスタブに数滴入れたり、アロマポットなどを使って部屋に香りを漂わせれば、手軽に生活に心地よい香りを取り入れることができますね。
中之島公園のバラは開花時期をずらして植樹されているため、6月初旬頃まで花が楽しめます。
この季節ならではのバラの芳香に包まれて、気分をリフレッシュしてみませんか。
独特な模様のエドガー ドガ
バラのアーチ
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アクセス
中之島公園バラ園
大阪市北区中之島1
TEL 06-6312-8121(北部方面公園事務所)
京阪中之島線なにわ橋駅よりすぐ
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