五芒星の桔梗印で知られる、安倍晴明公を奉った晴明神社

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天文暦学を極め、神道を思いのままに操る霊術を持っていたとされる安倍晴明公。今から千年以上も昔の平安時代、陰陽師としての活躍は映画や書籍、漫画などでもよく知られています。

 

当時、最先端の学問だったのが、天体を移りゆく星や雲の動きを観察する「天文道」。晴明公は、それに呪術や占いなどもあわせた「陰陽道」を駆使し、宮殿での異変の予知や遠方での吉凶を言い当て、六代にわたる天皇の側近として仕えるなど、朝廷を始め、多くの人々の信望を集めていました。ここ、晴明神社はそんな晴明公の屋敷跡であり、天文陰陽博士として活躍していた拠点だった場所です。

 

金色に輝く桔梗印の社紋がかかった全国的にもめずらしいと言われる(普通は神社の名前やお祀りされている神様の名前)一の鳥居をくぐると、左手にあるのが源頼光の四天王の一人、渡辺綱が鬼女の腕を切り落とした場所としても有名な「旧・一条戻橋」です。これは先代で使われていた欄干の親柱を移して再現したもので、橋の傍らには陰陽師が操る精霊「式神」の石像が置かれています。人の目には見えなかったとされていますが、物語に出てくる小人の様でなんだか愛嬌があります。神社のすぐ近くで、実際に架かっている戻橋を見ることができ、今でも「戻る」を嫌って嫁入りやお葬式の列は戻橋を渡らないのが習わしとなっています。

 

旧・一条戻橋と式神

 

神社から100mほど南の場所にある戻橋

 

そして四神門をくぐり、正面の本殿手前に見えるのが、大きな「厄除桃」です。陰陽道において桃は魔除、厄除けの果物とされていました。桃太郎のお話もこれに由来するそうです。厄年に関わらず、誰もが持っている厄をこの桃に撫で付け、清々しい気持ちになれるようにと置かれており、光沢のある艶やかな桃を撫でると、なんとなくリフレッシュしたような気分に。これが「厄が落ちた」ということなんでしょうか。

 

桔梗印と呼ばれる星のマーク「五芒星」が晴明神社の社紋

 

五芒星が随所に見られる本殿

 

厄除桃

 

その他、境内の中には晴明公が念力で湧出させた「晴明井」や、推定300年を超える楠の御神木、様々な伝説の中から代表的な10の話を紹介した晴明公の顕彰板など、見どころがたくさん。最後に、神社公認の記念品などを販売している「桔梗庵」でお土産をチェック。ここでしか手に入らないレアなグッズもあります。

 

神社が所蔵する肖像画を基に作成された安倍晴明公像

 

手で触れると大樹のパワーが伝わってくる御神木

 

桔梗庵

 

京都の老舗和菓子屋さんが作るお饅頭10個入り1,050円

 

桃ドロップス、あぶらとり紙、ストラップ、ハンカチ。すべて神社承認済

 

「お祈りすれば、不思議な霊の御利益を受ける事ができ、様々な災いから身を守り、病気や怪我が治る…」と人々に語り継がれ、御霊神となられた後にも陰陽道の祖として広く世の中の尊敬を集め続けている晴明公。そういえば、来る時に乗った市バスの窓にも、「交通安全/晴明神社」の文字と一緒に桔梗紋のステッカーが貼られていました。今日の私達の生活にも密接した関わりを持つ、年中行事や暦などもこの頃に創られたことを思うと、とても感慨深く、身近に感じられますね。

 

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アクセス

晴明神社
京都市上京区堀川通一条上ル806
TEL 075-441-6460(社務所)
地下鉄「烏丸今出川駅」より徒歩約12分
市バス「一条戻橋・晴明神社前」下車 徒歩約2分
詳しくは下記オフィシャルサイトをご覧ください
http://www.seimeijinja.jp/
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