伊勢神宮の参拝前に心身を清める場「二見興玉神社」

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三重県伊勢市のパワースポットといえば伊勢神宮が有名ですが、同じく伊勢市にある二見興玉神社(ふたみおきたまじんじゃ)はご存知ですか。二見興玉神社という名より、「夫婦岩」のあるところ、と言った方がピンとくる人は多いかもしれません。子どもの頃に修学旅行で訪れ、夫婦岩の置物を買って帰った人も多いでしょう。かくいう美肌茶房編集部の私もそのうちの一人です。置物にはなぜか“根性”“努力”といった文字が刻まれていて、それを無邪気に両親へお土産として渡していた子どもたち。いま思い返すと、シュールで奥深いお土産でした。

 

訪れるだけで清々しい気持ちになる「二見興玉神社」

 

境内にある「竜宮社」には、海の守護神である綿津見大神(わたつみのおおかみ)が祀られています

 

さて、この二見興玉神社、ある理由から伊勢神宮参拝には欠かせない神社です。現在は海中に没していますが、夫婦岩(立石)沖合約700mに神さまが寄り付く岩・興玉神石があり、この周辺の立石浜は、神々のいる常世(とこよ)の国から寄せる波が最初に届く“聖なる浜”と信じられてきました。そのため、古くから伊勢神宮の禊場(みそぎば:神仏に参拝するとき水を浴びて心身を清める場)として人々の信仰を集めてきたのです。外宮から内宮へまわる神宮参拝や神事に参加する前に、この浜で禊をするのが慣わしです。禊のために立石浜を訪れてお祓いを受けることを、「浜参宮」といいます。海水に浸かって禊をするのが本来のやり方ですが、現在では二見興玉神社に参拝してお祓いを受ける浜参宮が一般的になっています。

 

水を掛けると願いをかなえてくれる「満願蛙(水中の蛙)」

 

境内には献納されたさまざまな蛙の置物があり、それを見て回るだけでも楽しい参拝です

 

ご祭神は猿田彦大神(さるたひこのおおかみ)と宇迦御魂大神(うがのみたまのおおかみ)で、猿田彦大神は天孫降臨の際に、また伊勢神宮ご鎮座のときに道案内をしたので、交通安全、開運招福、家内安全、善導の守護神として広く信仰されています。境内にかわいらしい蛙の置物がいくつもあるのは、蛙が猿田彦大神の使いと信じられているからです。“無事かえる”“貸した物がかえる”“若がえる”などの縁起によってご利益を受けた人々から置物は献納されたそうです。一方、宇迦御魂大神は土地を領する地主神といわれ、土地の邪悪を祓い清め、災厄を除く福寿の神、衣食住産業の守護神としても信仰されています。

 

江戸時代末期から語り継がれるエピソードがある「契りの松」

 

季節や時間に応じて変わる光景が美しい「夫婦岩」

 

境内には、蛙の置物のほか、1本の立派な松の木にもいわれがあります。伊勢参拝がもっともにぎわった江戸時代末期、阿波国(現在の徳島県)から若い男女がこの二見浦の浜を訪れ、二人は海水で禊をし、松の木に着物を掛けて結び、夫婦の契りと子孫繁栄を祈願しました。このことから、その松は「契りの松」と呼ばれるようになりました。残念ながら1953(昭和28)年に台風で流失してしまいましたが、1991(平成3)年に再現されました。ご利益には特に挙げられていませんが、夫婦岩といい、契りの松といい、二見興玉神社を参拝すると縁結びのパワーもいただけそうです。

 

絶好のロケーションで夫婦岩に見守られるなか行われる「本殿」での挙式は人気が高い

 

神さまが寄り付く岩・興玉神石の鳥居の役目をしている夫婦岩の、大きい方の男岩は高さ9m、小さい方の女岩は4mあり、その間を長さ35mの大注連縄(おおしめなわ)が張られています。夏は岩の間から日の出を、秋から冬には満月が昇るのを見ることができます。
二見興玉神社は、身を清める場所というだけではなく、海、緑、太陽、月などの自然を身近に感じ、それらを通して心をもすっきりと浄化してくれるスポットです。お伊勢さん参拝の際はもちろん、心身ともにリフレッシュしたい人は、ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。

 

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アクセス

三重県伊勢市二見町江575
TEL 0596-43-2020
JR「二見浦駅」より徒歩15分

http://www.amigo2.ne.jp/~oki-tama/
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