8月初旬に訪れた北海道はとても爽やかでした。最高気温が25度を超えてくると札幌の道産子たちは「暑くて死にそう」などと弱音を吐いて元気がなくなりますが、暑いのは昼間の2時間程度。東京に比べると湿度が低く乾燥しているので、札幌市内にいても、まるで高原にいるかのように爽快です。
そんな道産子の友人に夏のお薦めドライブスポットを聞いたところ、教えてくれたのが京極町でした。
行列が見えてきました、あそこが湧き出し口でしょうか
ところどころにコップがあってとっても親切、水もおいしかった
札幌から西へ車を走らせると、すぐに車窓には石狩湾ののんびりした風景が広がります。小樽を通過し、余市まではほぼ海沿いの国道を走れるので、シーサイドドライブを満喫できるでしょう。余市から進路は南へ、山あいの峠を越えると山岳リゾートで有名なニセコを擁する倶知安町にたどり着きます。目指す京極町はその隣。札幌からは2時間もあれば余裕で着くので、ちょっとしたドライブには最適ですね。
お目当てのふきだし公園は京極町と倶知安町を結ぶ幹線道路に面しています。周辺でアウトドアのレジャーを楽しむ人や、涼を求めるドライバーらが多く訪れていました。
この界隈の自然のシンボルとなっているのが羊蹄山(ようていざん)で、標高1,898mの活火山。富士山のように美しい円錐形のその山容から、地元では蝦夷冨士とも呼ばれています。ふきだし公園の湧水は、この羊蹄山に降った雨や雪解け水が濾過され、地中のミネラルを加えながら50~70年という長い時間を経て流れ出る恵みの水。1日の湧水量は8万tで、30万人の生活水に匹敵する国内最大級のものです。
熱心に水を汲むおじさん、大量の水は何に使うのでしょう
湧き出た水が貯まる池は、かなり大きく見えた、マイナスイオンたっぷり?
自然と羊蹄山とで作り出す「おいしい水」が絶え間なく湧き出る公園は「名水の里」として多くの人に親しまれています。大きなポリタンクやペットボトルを持参し、台車に載せて持ち帰る人も見られました。
湧き出る水を備え付けのコップで一杯飲んでみました。とても美味しく、かなり冷たく感じました。水温は年間通じて平均6.5℃なので、夏でも冷たく感じるのですね。
湧き出た水がひととき貯まる湧水池は結構大きくて、ハルニレやシラカバ等の広葉樹に囲まれ、道路沿いのオアシスのようでした。この池を地域の人々が開拓当初より聖なる場所と崇めて大切に守ってきたそうです。
湧水池一帯は木々に守られていて、オアシスのようでした
倶知安町側から見た羊蹄山、山頂は雲に隠れていました
1985年(昭和60年)3月に環境庁(現・環境省)より「羊蹄のふきだし湧水」として名水百選の1つに選定されました。2001年(平成13年)10月には「京極のふきだし湧水」として北海道遺産にも認定されました。
吊り橋や遊歩道、展望塔などが設けられて、人と自然と水が調和した公園には、道内はもとより海外からの旅行者も多く訪れていました。夏、水辺で涼を求めたくなる気持ちに、国境は関係ありませんね。京極町は水と緑あふれる美しい町でした。
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アクセス
北海道虻田郡京極町字川西
TEL 0136-42-2111(京極町役場)
JR倶知安駅から道南バスで京極バスターミナル下車 徒歩10分
http://www.town-kyogoku.jp/
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