「むすびの神様」と「足の神様」の最強パワー〜愛知県日進市・白山宮

名古屋市の東に隣接する日進市。名鉄「日進」駅からバスで10分ほど北へ向かうと、田畑に囲まれたのどかな風景が広がります。見渡せば、広大な平野の中で孤立したような丘陵が目に留まるでしょう。今回紹介する白山宮(はくさんぐう)は、その緑豊かな丘陵上に鎮座しています。

 

正面の大鳥居。社地は約一万坪と広く、拝殿まで結構歩く。途中階段が3つあり

 

白山宮は、白山信仰で知られる石川県の「白山比咩神社(しらやまひめじんじゃ)」の分霊が祀られていますが、創立年代については詳しく分かっていません。しかし、境内に古墳があることから、かなり古い年代にさかのぼるのではないかと推測されています。大永3年(1523)本郷城主の丹羽若狭守氏清(天文7年、岩崎へ移城)が祭祀を司ったとの記述が残っており、以来、湯立、笹踊り、棒の手、馬の塔(献馬)といった神事が氏子によって伝承され「白山の馬まつり」として人々に親しまれてきました。近年では茅の輪祭をはじめとする多くの祭事に、年間数十万人の参拝者が訪れています。

 

主神はククリヒメ(菊理姫命:くくりひめのみこと)。神話で知られるイザナギ、イザナミの夫婦が争ったときに仲裁したことから、縁結びの神様とされています。農業や工業などものづくりを生業とする人には生産(むすび)の力を、商いを営む人には人を引きつける徳を、夫婦や恋人には人の和を—-その名の通り、すべてのものを括り結び合わせてくれるのだそうです。境内には「連理木」もあり、縁結びのパワースポットとして人気。かわいらしいハート型絵馬もあるので、願いのある方はぜひこの絵馬で奉納してみてください。ハートと四ツ葉のクローバーを赤い糸で結び固めた「むすび守り」もおすすめです。

 

手前から御嶽社、秋葉社、神明社、恵比須社。大鳥居から拝殿までの途中に並ぶ

 

拝殿。いろいろなおみくじや絵馬が並ぶ。向かって左に猿投社がある

 

「むすびの神様」とともに人気を集めているのが「足の神様」。境内末社の一つである足王社には、足名椎神(アシナヅチ)が祀られており、足腰の病気や怪我を治したい、強くしたいと願う人たちが参拝に訪れています。全国のスポーツ関係者の間でも有名で、いつの間にかサッカー選手やサポーターが多く訪れるようになったとか。JFA(財団法人日本サッカー協会)公認の全日本代表エンブレム守や絵馬もあり、今年はもう終わりましたが、FIFAワールドカップのときなどは絵馬掛けがエンブレム絵馬で染まります。絵馬を見てみると「○○が優勝しますように」「サッカー選手なれますように」「足の怪我が治って、また試合に出られますように」といったさまざまな願い事が書かれていました。

 

足王社。飯田街道裏街道に祀られていた足名椎神を、終戦前後に勧請

 

サッカーファンにはたまらない!エンブレム守、エンブレム根付守、エンブレム絵馬

 

足王社を参拝した際には、社殿横に祀られている「痛みとり石」を撫でることもお忘れなく。願いを込めて石を撫で、その手で患部や強化したいところを撫でると叶えられると信仰を集めています。

 

痛みとり石。平成13年(2001)遷座の際、旧社殿の下から現れた。足の形に似ている

 

境内には足王社のほか猿投社、稲荷社、秋葉神社など十の末社があるので、ぐるりと拝んで回るといいでしょう。香良洲(からす)神社に祀られている稚日女命(わかひるめのみこと)は、婦人の守護神。とくに出産の母子安全や婦人病快癒を願う方は、しっかり拝んでおきたいものです。

 

本殿向かって右にある香良洲神社。三重県の香良洲神社より勧請

 

奥から稲荷社、秋葉神社、山神社(三社)。足王社の後ろに並んでいる

 

もう一つ、注目したいのが、先にも少しふれた古墳です。正面の大鳥居をくぐってすぐ右手の小道を進んだ先に、直径14メートルの円墳があります。古墳時代後期(6世紀)のもので、昭和55年(1980)に発掘調査が行われ、金環・鉄製の直刀・装飾須恵器などが出土しました。現在のところ、日進市内では弥生時代以前の遺跡は発見されておらず、この古墳が最も古い遺跡です(昭和56年、日進市の文化財に指定)。見逃しやすいので、小道入口の札を目印にしてください。

 

普段は非常に静かな環境ですが、日進の総鎮守と言われるだけあり、お正月などには大勢の参拝客でにぎわいます。2月には節分祭、3月には初午祭、5月には足王社春祭と香良洲神社大祭、7月には茅の輪祭、10月には秋の大祭と、季節ごとの祭事もたくさん。節目節目に訪れてもいいですね。

 

記事中でも紹介した御守りや絵馬(エンブレム)などは、インターネットからの購入申し込みも可能です。白山宮の公式サイトでどうぞ。

 

白山古墳。横穴式の石室は全長約7メートル、幅約2メートル

 

むすび守とむすびひもを合わせた「むすび守セット」(右)と足腰のための「足王社わらじ守」

 

アクセス

愛知県日進市本郷町宮下519
TEL 0561-73-1818
名鉄「日進」駅より“くるりんばす(日進市巡回バス)”中コース乗車、「白山」停留所から徒歩5分
地下鉄東山線「星ヶ丘」駅より名鉄バス五色園行き乗車、「御岳口」停留所から徒歩10分

詳しくは、下記公式サイトをご覧ください。
http://www.hakusangu.org/