日本三大厄神の一つ 「門戸厄神東光寺」

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門戸厄神東光寺の創建は天長6年(829年)にまで遡ります。寺伝によると、ある日嵯峨天皇は夢の中で愛染明王と不動明王が一体となってあらゆる厄災を打ち払う夢をみました。
ちょうど41歳の厄年に当たる時期でもあったため、その霊験に感得した天皇は空海にその夢を話した末、彼に厄を払うための厄除祈願を命じました。
仰せつかった空海は早速天皇の夢に出てきた愛染明王と不動明王が一体となった厄神明王像を三体刻みます。それを高野山にある天野大社と山城にある石清水八幡宮、そして門戸厄神の殿内に丁重に祀ったうえ、国家安泰、皇家安泰、国民安泰を祈願しました。それら3つの社は俗に日本三大厄神と称され今でも厚い信仰の対象となっていますが、現在その厄神明王像が祀られているのはこの門戸厄神のみとなっている点はぜひ押さえておいてください。

表門。表門の下には42段の男厄坂と呼ばれる階段があります

 

厄神明王は門戸厄神の境内に鎮座する厄神堂に祀られています。参ることで多大な厄払いのご利益あり。厄年に当たる人の多くがこの門戸厄神に足を運ぶのも上に挙げた門戸厄神の味のある歴史とは無縁ではないのでしょう。もちろんやってくるのは大人だけではありません。折に触れてまだ15にも満たない子どもたちの姿が散見されるのです。彼らの目的はずばり十三参り。生まれて干支が一巡し、体にも大きな変調をきたす13歳に達した子どもたちは、人生最初の厄を払ってもらうために、下見を含めて幾度か門戸厄神へと足を運んでいるのです。実際取材に訪れた日も、友達と連れだってやってきた中学生らしき子どもを何組が見つけました。厄に対して彼らなりの確固とした考えがあるんでしょうね。

境内

厄神堂。厄除祈願が行われるのはこのお堂

薬師堂。本尊である薬師瑠璃光如来が祀られています

 

今でこそ悪者扱いされている厄という概念ですが、必ずしも「災難に遭遇しやすい時期」ばかりが強調されてきたわけではありません。少なくともひと昔前までは厄といえば役に通じ、社会的にも肉体的にも人生の節目節目に遭遇する大きな変化に対してその準備を怠らないよう、あらかじめその周知を徹底する「役」としての「厄」という意味あいがありました。その働きが功を奏したか、現在でも厄年が近づいてきた途端、厄除けについて真剣に頭を巡らせる方が多くなりました。門戸厄神が年間を通して厄払いに応じているのも、参拝者のそこはかとない厄への不安を払拭する役を帯びているからなんでしょう。

 

さて、厄を払ったあとは境内各所にあるパワースポットに足を向けましょう。
一つ目は延命魂根。延命魂は元々、高野山の奥、弘法大師御廟近くの参道に聳えていた樹齢800年を超える老杉です。生命を全うしたのを機に高野山金剛峯寺より門戸厄神へと移されました。触れることで延命や病気平癒のご利益があるようですので、杉に触れたその手でご自身の具合の悪いところをさすってやりましょう。

延命魂

 

またその横にある宝輪杉も高野山奥ノ院の畑で生まれ育った老杉。その樹齢は幾100年を越え、年輪一つ一つにはその時代の出来事が人の顔の皺のように刻み込まれています。延命魂同様、参ることで厄除開運、家内安全、身体健全などのご利益を得られるので、延命魂を参ったならばぜひこちらの法輪杉にもお立ち寄りください。

宝輪杉

 

その他門戸厄神にはさまざまな幸運を授けてくれる慶寿石や、四国八十八ケ所に参ったのと同じご利益のあるエリアが存在しています。とりたてて厄に関心がなければ上に挙げたパワースポットだけを巡ってみるのも良いかもしれませんね。

慶寿石

 

四国八十八カ所めぐり。四国各札所の砂を敷き、各社には応じた本尊をお祀りしています

 

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アクセス

兵庫県西宮市 門戸西町2−26
TEL 0798-51-0268
近鉄南大阪線橿原神宮前駅下車 徒歩10分
詳しくは、下記オフィシャルサイトをご覧ください。
http://mondoyakujin.or.jp
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