お茶の健康成分

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Q:お茶は健康に良いと言われますが、なぜでしょうか?
A:茶葉からカテキン類などの穏やかな健康成分が溶け出して、それを摂取することが出来るからです。毎日飲み続けられるお茶は優れた保健機能食品と言えます。

 

お茶特有の健康成分

6世紀の中国の医学書には「苦茶は寒で、毒なし。五臓の邪気を払い、下痢、渇熱(熱による渇き)、中疾(胃腸病)、悪瘡(たちの悪いできもの)などを治す。久しく服すれば、心を安んじ、気を益し、頭を良くし、眠りを少なくし、身を軽くし、老いを能くし、老化を抑える」(「神農本草経集注」陶弘景)とあります。お茶が万病に効くことが約1500年も前に認められていたことがわかります。
薬として飲まれておいたお茶はやがて日本には伝わり、日本文化とも深く結びつき、今日も多くの人々が飲み続けています。お茶の健康機能は研究が進み、健康パワーが明らかになってきています。

 

【テアニン】

爽やかな甘味とうま味を示す味成分で、心身をリラックスさせてくれる効能を持っています。テアニンを摂ると脳からα波の出現が増えます。これはリラックスしながら集中力もあるという、とても心地よい状態を示しています。お茶には他方、興奮をもたらすカフェインも含まれており、興奮を和らげるテアニンを併せ持つことで、適度な緊張を保ちつつリラックスしたい時には最高の飲料と言えます。

 

【カフェイン】

お茶が嗜好品として飲まれ続けている理由の一つがお茶の覚醒作用です。その原因物質はカフェインで、中枢神経を刺激・興奮させたり、利尿促進や消化吸収促進などの作用があります。お茶のカフェインは飲んでからすぐに吸収されて、血中濃度も30分から1時間で最高濃度に達するので、とても即効性があり、眠気覚ましにもお茶は飲まれてきました。お茶は、このようなカフェインと鎮静効果のあるテアニンを併せ持つ不思議な飲料なのです。

 

【ビタミンC】

お茶はビタミンCを豊富に含んでいて、上級な煎茶ほど含有量が多い傾向があります。煎茶を1日に4~5杯飲むと、一日の推奨摂取量100mgの30~50%位のビタミンCを摂取することができます。
一般にビタミンCは熱に弱く、酸化されやすく、壊れやすい性質があります。しかし、お茶のビタミンCは壊れにくく安定的なことが特徴です。これはお茶のカテキン類がビタミンCを守る働きがあるからです。植物の中のビタミンCは日光を浴びて作られます。そのため被服栽培する玉露より、露天で栽培する煎茶の方が多く含まれます。また、酸化されやすいので発酵させる烏龍茶のビタミンCはわずかで、紅茶には全く含まれていません。

 

 

 

テアニンはチャの樹の根で合成されて、それが葉に溜まります。日光を受けるとテアニンは渋味成分であるカテキンへ変化します。そこで被覆をするとカテキンへの変化が抑制され、旨味が多く渋味の少ない良質のお茶となります。

 

 

煎茶成分と期待される健康機能(出典:村松敬一郎他、茶の機能(2002)、一部追加)の一覧。豊富な成分を見ると、お茶が体に良いと言われることが納得できます。